肝・胆・膵外科

肝がん、膵がん、胆管がん、胆嚢がんなどの肝胆膵悪性腫瘍を中心に、食道静脈瘤、胆石症、膵・胆管合流異常症など良性疾患も含めて広く肝胆膵疾患の外科治療を行っています。

概要

診療体制

肝胆膵外科を専門とする30名の医師が5から6つのチームに分かれてチーム医療を行っています。治療方針についてはエビデンスに基づき、カンファランスで決定しています。退院後も入院中の主治医が外来で定期的に診察いたします。

治療方針

肝がん、膵がん、胆管がん、胆嚢がんなどに対して積極的に手術治療を行っております。また、門脈腫瘍栓を伴う進行肝がんや多発性の転移性肝がんなど他の病院で手術が難しいと言われた患者さんに対しても手術適応を検討します。手術で根治する可能性がある場合は、積極的に手術を行っています。また、大腸がん肝転移に対しては様々の抗がん剤と組み合わせた治療を臨床試験として行っています。

得意分野

肝がん、膵がん、胆管がん、胆嚢がんに対する手術、肝移植などを得意分野としています。また、腹腔鏡下の肝切除・膵切除も行っています。特に当科の肝切除安全性は世界的に知られ、手術死亡率0.2%という低率となっています。当科の安全で正確な肝切除を見学するため、世界各地から医師が訪問して来ます。肝切除3Dシミュレーション技術もいち早く取り入れ2007年にわが国初の先進医療指定をうけ、保険適応取得に貢献しました。現在ではこれをさらに肝切除ナビゲーション技術に発展させ、新しい器機の開発を行っています。また、2007年からICG蛍光イメージング法を世界に先駆けて開発し、肝がんの術中診断や腹腔鏡下胆摘の術中胆道造影に応用しています。

対象疾患

原発性肝がん、転移性肝がん、胆道がん( 肝門部胆管がん、胆嚢がん、下部胆管がん、乳頭部がん)、膵がん、膵神経内分泌腫瘍( NET )やその他の膵腫瘍、肝膿瘍、肝内結石、胆管結石、胆石胆嚢炎、胆道拡張症、膵・胆管合流異常症、膵炎、門脈圧亢進症( 食道胃静脈瘤、膵機能亢進症)など

主な治療

  • 肝がん(肝細胞がん)
    肝機能腫瘍条件が許す限り切除を第一選択とします。再発例や高度進行例に対しても積極的に再切除を行って長期生存を目指します。教室での初回治癒切除後の1、3、5年生存率は99%、91%、59%です。
  • 肝がん(転移性肝がん)
    原則として個数には上限をつけずに切除します。再発例に対しても積極的に再切除を行って治癒を目指します。
  • 膵がん
    膵頭十二指腸切除、膵体尾部切除を行い、術後に化学療法を行います。切除が困難な進行例では内科と共同で術前化学療法を行い、根治切除の可能性を広げています。教室での切除後の1、3、5年生存率は79%、47%、34%です。
  • 肝門部胆管がん
    術前減黄、門脈枝塞栓術を施行し、安全性を高めてから、より根治的な拡大肝切除を施行します。
  • 下部胆管がん
    膵頭十二指腸切除を行います。肝門部および肝外胆管がん全体での教室での切除後の1、3、5年生存率89%、64%、47%です。
  • 胆嚢がん
    綿密な術前診断に立脚し、過不足のない合理的な根治手術を行います。教室での切除後の1、3、5年生存率83%、58%、55%です。

科長

長谷川 潔 (はせがわ きよし)

長谷川 潔 (はせがわ きよし)

プロフィール

リンク

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TEL:03-5800-8630