感染制御部

概要

感染制御部微生物検査室の病原微生物検出情報をもとに看護部ICN(Infection Control Nurse) と協力し病原性微生物に対する感染対策を実行しています。
さらに、薬剤部とも協力し病院全体の抗菌剤使用状況を把握・管理し多剤耐性菌の発生を防ぐととともに診療においては感染症内科とも協力するなど多くの診療科・部署と連携し病院全体の感染対策の実行をおこなっています。
新型コロナウイルス、新型インフルエンザやデング熱などの国際的感染症が国内発生したように、感染対策のために医療機関間での連携が不可欠となっており、当院でも複数の医療機関と感染症に関するデータや対応策の共有を行っています。
歴史的には感染制御部の前身は1991年1月23日に我が国において先駆けて設置された院内感染対策部です。

組織紹介

[教授/部長] 堤 武也

活動内容

  1. 病棟ラウンド
    毎週木曜日に感染制御部・看護部・薬剤部・細菌検査室・栄養部・事務部で構成されるICTによる病棟ラウンドを行い、現場での情報収集及び環境整備状況、感染対策実施状況の確認を行っています。
  2. 薬剤耐性菌サーベイランス
    メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、基質拡張型βラクタマーゼ産生菌、多剤耐性緑膿菌、メタロβラクタマーゼ産生菌、バンコマイシン耐性腸球菌、クロストリジウム・ディフィシルなどの耐性菌検出状況を毎日把握し、迅速な感染対策を行っています。また各種耐性菌検出状況は毎月の病院感染対策委員会、リンクドクター会議、メディカルスタッフ連絡会議などで病院全体として情報共有をしております。
  3. 医療関連感染症サーベイランス
    血管内留置カテーテルや尿路留置カテーテルなどの医療器具や手術に関連した感染症について、ICTや看護部、各診療科の協力を得ながら、発生状況を調査し状況に応じ対策のさらなる強化を行っております。
  4. 薬剤耐性菌増加時の対応
    薬剤耐性菌検出の増加が疑われる場合は、病棟での発生状況の疫学的調査を直ちに行い、関連診療科および部署とともに伝播拡大を防止する体制を構築しております。また、必要に応じて分離菌株の遺伝子解析、保菌調査、環境調査を実施し、感染経路の調査に役立てております。
  5. 各種感染症患者に対する感染対策の指導
    結核、インフルエンザ、感染性胃腸炎、麻疹、風疹、水痘、帯状疱疹など感染対策上重要な疾患について、病棟担当者へ適切な感染対策の指導を行っております。
  6. 抗菌薬適正使用の推進
    カルバペネム系抗菌薬、抗MRSA薬は使用届出制を採用しております。抗菌薬適正使用チームが、毎日届け出抗菌薬の使用状況を把握しています。抗菌薬の長期使用や不適切な使用例は主治医と協議を行い、適正使用の推進に努めております。また、TDM(血中薬物濃度)実施状況についても薬剤部の協力の下、確認を行っております。
  7. 針刺し・血液体液曝露時の対応と取組み
    医療従事者の針刺し・切創や血液体液曝露予防や発生時の対応を職員等健康相談室および感染症内科と協力して行っております。またエピネット様式に則った報告書による事例の集計・解析を行い、針刺し事例の減少へ向けた取り組みを行っております。
  8. 尿検査の適正化
    入院中の尿検査適正実施のための院内ガイドラインを作成し、適正な蓄尿のモニタリング及び指導を行っております。
  9. 職員安全衛生管理
    職員等健康相談室及び事務部門と協力し、麻疹、風疹、水痘・帯状疱疹、B型肝炎に対する抗体価の把握及びワクチン接種を推進しております。
  10. 医療従事者に対する感染対策教育
    全職員に対して年3回のe-learningによる感染対策演習を行い、感染対策の知識・情報の共有化に努めております。また新規入職者に対する実習・指導も総合研修センターの協力を得て行っております。手指衛生の実施状況は年3回、各病棟での相互チェックを実施し、経年的に実施率は向上しております。また感染症・感染制御のトピックスに関して感染制御セミナーを年3回開催し、毎回多くの職員が参加しております。
  11. 地域医療機関との感染対策連携
    地域医療機関と年に4回の感染防止対策カンファランスを開催し、地域における感染動向の把握に努めております。また病院相互訪問による感染対策実施状況の確認を行い、感染対策向上に向けて取り組みを行っております。

部長

堤 武也(つつみ たけや)

堤 武也(つつみ たけや)

プロフィール

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