輸血部
お知らせ
東大病院では、輸血部を中心に安全かつ適切な輸血療法の実践を目指して積極的に取り組んでいます。すべての輸血用血液(同種血、自己血)の管理、検査、供給を輸血部が行っています。院内で作成した「輸血実施手順書」を各病棟、手術室、外来に配置し、手順書に準じた安全な輸血療法を実施しています。また、年6回開催の輸血療法委員会を通じて、輸血療法に関連する問題などを各診療科の委員(医師、看護師、臨床検査技師、薬剤師)と協議し、より安全で適切な輸血療法の実施を目指しています。平成18年1月には、自己血輸血を推進すべく、本邦初の「自己血外来」を設置し、現在最も安全と考えられている自己血輸血の実施に積極的に努めています。待機的手術を予定している患者さんが自己血輸血の適応になりますので、ご希望がある場合、主治医とご相談ください。また、造血幹細胞移植のための末梢血幹細胞採取・処理・保管を、診療科と共同で実施しています。
概要
輸血部の業務
- 輸血関連業務
・ 輸血用血液(赤血球液、新鮮凍結血漿、濃厚血小板など)の赤十字血液センターへの発注
・ 輸血用血液の管理・保管・供給
・ アルブミン製剤の管理・供給 - 輸血関連検査
・ 血液型検査(ABO式、Rho(D)式、他)
・ 不規則抗体検査
・ 感染症検査(HBs抗原・抗体、HBc抗体、HBe抗原・抗体、HCV抗体、HIV抗体、HTLV-I、TPHAなど) - 自己血輸血関連業務
・ 自己血外来での診察、採血スケジュールの決定
・ 自己血採血
・ 自己血の保管・管理・供給 - 輸血副作用関連業務
・ 抗原・抗体検査(血小板、白血球(HLA)、顆粒球)
・ 感染症検査
・ 輸血遡及調査のための輸血前検体保管
・ 輸血副作用調査、輸血歴および輸血検査歴の保管・管理 - 移植関連業務
・ 組織適合性検査 - 高度先進医療
・ 末梢血幹細胞の採取・保管・管理
・ CAR-T療法 - 輸血療法の安全性確保のための取り組み
・ 輸血療法委員会の開催
・ 院内への情報提供
組織紹介
東京大学医学附属病院輸血部の紹介
輸血部は教官4名、非常勤医員2名、検査技師10数名、看護師2~3名で構成され、上記業務を行っています。また、安全かつ適切な輸血医療の実践のために、日常業務、輸血療法に関する診療科への助言・指導、輸血医療の発展を目指した研究などを積極的に行っています。輸血部所属の検査技師は、輸血検査、感染症検査、輸血用血液の管理・供給以外に外来採血および手術室での検査業務を一部実施しており、検査部と協力して輸血業務を24時間体制で実施しています。
主な研究課題は、
- 同種(血小板、白血球(HLA)、顆粒球、内皮細胞)抗原・抗体と輸血副作用、検査法の開発に関する研究
- 移植のための組織適合抗原、検査法に関する研究
- 輸血関連急性肺傷害(TRALI)及び輸血関連循環過負荷(TACO)の発生機序・予防・治療に関する研究
- 自己血採血における非侵襲的な循環血液量変化量の解析に関する研究
- 貯血式自己血輸血患者の有害事象関連リスク因子に関する研究
- 凝固検査と精密凝固検査機器との相関性に関する研究
- 新たな作製法によるクリオプレシピテートの臨床応用に関する研究