精神神経科リカバリーセンター
当センターで実施しているリカバリープログラムは、抑うつ・不安症状を主体とする精神障害(気分障害、不安障害など)を持つ方の回復を支援するリハビリテーションプログラムです。
精神神経科 リカバリーセンターとは
当院のリカバリーセンターでは、うつ病などで治療中の患者さんを対象に、心理療法と身体活動の両面からアシストし、医学的な症状改善から実際の社会参加へ橋渡しする外来プログラム「リカバリープログラム」を行っています。
- 自宅療養中に生活リズムが不規則になっていませんか?
- 療養が長引き体力の衰えを心配されていませんか?
- 仕事や学校に行けるようになりたいのに、何から始めたらよいか迷っていませんか?
- 周囲に同じ悩みを抱える仲間がいなくて、心細く感じていませんか?
このプログラムでは、復職や復学などの目標設定を行い、利用者とスタッフが協働的に取り組みながら、心身の回復と成長を目指していきます。
担当スタッフ
精神科医、臨床心理士、作業療法士、精神保健福祉士、ピアスタッフなどの多職種が担当します。
精神科医:近藤伸介、榊原英輔、南倫、澤井大和、熊谷友梨香、朝重菜々美、古川由己
臨床心理士:五十嵐愛
作業療法士:矢野健一(リハビリテーション部)
精神保健福祉士:山根典子、金原明子、神谷瑞菜
ピアスタッフ:石田貴紀
リカバリープログラムのご案内
対象者
- 気分障害、不安障害、適応障害などで、不安・うつ症状を主症状としている方
- プログラムに主体的に取り組み、協働的なグループ参加に支障がない方
※見学で参加が困難と判断される場合もあります - 週3回、1回3時間のプログラムに参加することができる方
※定期的に抑うつの程度などを簡易検査にて客観的に評価し、症状改善や復帰に活かしていきます。
プログラムの概要
- 【農作業】(月曜日・水曜日・木曜日)
「東大病院で野菜を作る!」を合言葉に、開墾から作付け、収穫まで皆で相談しながら進めていきます。収穫した野菜は皆で試食します。 - 【身体活動】(月曜日・水曜日・木曜日)
病院周辺のウォーキング、運動場でのスポーツ、屋内での卓球やフィットネスを通して体力の向上や気分の改善を図ります。各自のペースで無理なく参加いただけるプログラムです。体組成計を用い、定期的に体のバランスをチェックしていきます。 - 【心理療法】
集団認知行動療法(月曜日)
問題や困難を維持させている考え方や行動のパターンに気付き、それを変容させる方法を学び、実践していきます。1週間ごとにアクションプランを計画して実践した後、プランと自身の行動を振り返りながら学んでいきます。
マインドフルネス(水曜日)
マインドフルネスは、〈いま・ここ〉での感覚・思考・感情への気づきを高める練習を通して柔軟な心を養います。日本でも注目度が高まっているトレーニングです。このトレーニングによって、心の制御力を高め、あるがままの感情を受入れ、自分が価値を置くものに従って行動できるようになることを目指します。
ダイアログ(木曜日)
ダイアログでは、自由な交流を主眼に置いたグループワークで、メンバー同士の対話的交流を通して、自分の過去・現在・未来を見つめ直していきます。
週間スケジュール
週3回、月、水、木の午後に実施します
- 【月曜午後】
13:00 ミーティング
13:15 農作業/身体活動
14:30 集団認知行動療法
16:00 終了 - 【水曜午後】
13:00 ミーティング
13:15 農作業/身体活動/農作業についての調べもの、話し合いなど/マインドフルネス
16:00 終了 - 【木曜午後】
13:00 ミーティング
13:15 農作業/身体活動
14:30 ダイアログ
16:00 終了
利用料
ショートケア1回1040~1280円(3割負担の場合)
※自立支援医療をご利用いただくと350円程度(1割負担の場合)でご利用いただけます。
※診療報酬改定に伴って変更になる可能性があります。
利用期間
原則3か月から6か月程度ご利用いただけます。
担当スタッフとの個別面談で卒業まで当プログラムの活用法を話し合っていきます。
お申込みの流れ
- ご本人が平日の午前中に東大病院代表(03-3815-5411)から精神科外来にお電話
- リカバリーセンター担当者と見学日程を相談
- プログラムの見学・体験
- 正式参加時は主治医に必要書類を作成してもらい、導入時面接を行います。
※他院通院中の方は、導入前に一度初診診察を受けていただきます。
東大病院精神神経科に通院中でない方もご利用が可能です。ご利用を希望される方は、まず患者さんご本人に見学していただく必要があります。主治医とご相談の上、患者さんご本人が、東大病院代表(03-3815-5411)から精神科外来に電話しリカバリーセンターの見学を希望する旨を伝えてください。※申し訳ありませんが、ご家族のご見学はお受入れしておりません。
アクセス
入院棟B 10階 集団療法室
エレベーターホールを出て、まっすぐ行ったところの突き当たりを右手に進みますと、左手に集団療法室のお部屋がございます。
センター長
近藤 伸介(こんどう しんすけ)
リンク
【リカバリーセンターのロゴマーク】
リカバリーセンター(recovery center)の「r」、「e」、「c」を図案化しつつ、回復と農園をイメージした新芽を重ねました。新緑の緑がイメージカラーです。ワンポイントに配した葉の上のナナホシテントウは、希望や目標を表しています。