胃・食道外科
胃・食道外科では、胃がん・食道がんの治療を中心に診療を行なっています。また、消化管GIST、消化性潰瘍、食道炎などの良性疾患の診療も行なっています。
概要
診療体制
外来診療は、毎日午前中に初診外来を行っています。
病棟では、各学会の専門医の資格を持つ医師がチームリーダーとなり、研修医を含めて4~6名で1チームとして、手術前から術後まで一貫して診療にあたります。加えて診療科長や副診療科長など経験豊富な医師が手術や治療方針の指導・責任者として診療します。
治療方針
内視鏡検査・消化管造影検査・CT検査・超音波検査・超音波内視鏡検査・PET-CT検査などを十分に行ない、カンファレンスにて治療方針を検討します。症例により、消化器内科、放射線科等との合同カンファレンス(「上部消化管キャンサーボード」と呼んでいます)で集学的な治療法についても検討をおこないます。患者さんのQOLを重視し、また患者さん御本人の意思を尊重することを基本としています。
得意分野
おもに胃がん、食道がんの治療を行っています。胃がん・食道がんのすべての病期(早期・進行・高度進行)で、それぞれの症例に適した治療を行っています。食道がんに対しては、ロボット支援下食道切除を行っています。進行した食道がんに対しては、化学療法を行った後に手術を行います。胃がんに対しては、腹腔鏡手術、ロボット支援下手術を積極的に取り入れています。胃粘膜下腫瘍に対しては、消化器内科と合同で内視鏡腹腔鏡合同手術を行っています。病的肥満症に対しては、腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を導入しています。食道裂孔ヘルニアに対する腹腔鏡手術や鼠径ヘルニアの手術も行っています。
対象疾患
基本的に全ての胃・食道疾患を対象とします。胃がん、食道がん、消化管GIST、病的肥満症、食道裂孔ヘルニア、鼠径ヘルニア、胃・十二指腸穿孔など。
先進・特殊医療
ロボット支援下食道がん手術
手術用ロボット(da Vinci)・縦隔鏡・腹腔鏡を組み合わせて、開胸しない食道がん手術を行っています(縦隔アプローチ食道切除)。患者さんの負担を小さくするためにわれわれが開発した術式であり、従来の開胸手術と比べて手術後の肺炎が減少し、術後の入院期間が短く、手術後のQOLも向上しています。
腹腔鏡下胃切除術/ロボット支援下胃切除術
患者さんの負担を小さくするために、腹腔鏡を用いて、幽門側胃切除、幽門保存胃切除、噴門側胃切除、胃全摘を行っています。患者さんの術後のQOL向上のために、できるだけ胃を残すようにしています。
また、ロボット支援下胃切除術は、従来の腹腔鏡下胃切除術に比べ、術後の合併症がより低率であるといわれています。当院では2021年1月より導入しております。
内視鏡腹腔鏡合同手術(LECS / NEWS)
胃や十二指腸の粘膜下腫瘍などを対象として、消化器内科と合同で内視鏡腹腔鏡合同手術(LECS)を行い、過不足ない切除を行うようにしています。われわれの考案したNEWS(非穿孔式内視鏡的胃壁内反切除術)という術式を取りいれています。
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術
病的肥満症に対して、腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を保険診療で行っています。多職種連携チームで担当します。
主な検査と説明
下記のような検査が診断・治療に必要となります。主に外来で受けていただいていますが、入院して短期間に集中して受けていただくことも可能です。
- 上部消化管内視鏡検査
- 上部消化管造影検査
- CT検査
- PET-CT検査
- 腹部超音波検査
- 超音波内視鏡検査
など