骨粗鬆症センター
骨粗鬆症患者さんは国内に1,300万人いると考えられており、放置すると骨折を起こしかねず、日常生活に重大な影響を及ぼしかねません。一方で、骨粗鬆症治療の進歩も目覚ましく、優れた治療薬が充実してきました。東大病院では、患者さんにより高度で専門的な骨粗鬆症の診療を提供するため、複数の診療科が協力して2018年6月に骨粗鬆症センターを開設しました。現在は整形外科、腎臓・内分泌内科、老年病科、女性診療科・産科、アレルギー・リウマチ内科のほか、リハビリテーション科、乳腺・内分泌外科、泌尿器科・男性科、消化器内科、放射線部の協力のもと、診療に当たっています。
お知らせ
骨粗鬆症に関する診察、治療をご希望の患者さんは、かかりつけの先生などから紹介状を書いて頂き、東大病院予約センターにお電話下さい。各診療科の得意分野は下記の通りで、ご希望があれば紹介状を書いて頂くときに診療科あるいは医師をご指定下さい。特に症状がないものの健康診断などで骨密度低下や骨粗鬆症を指摘された方や、骨粗鬆症センター宛で、特に診療科や医師の指定がない紹介状をお持ちの場合は、最初に整形外科、腎臓・内分泌内科、もしくは老年病科の医師が診察します。
概要
診療体制・得意分野
骨粗鬆症や骨代謝疾患にはさまざまな原因や症状があります。骨粗鬆症センターに参加している診療科の得意分野と外来担当医師は以下の通りです。
- 整形外科:骨折の経験がある方、背中が曲がってきた方、腰背部痛や運動機能障害を伴う骨粗鬆症
- 腎臓・内分泌内科:重度の骨粗鬆症、男性や若年者の骨粗鬆症、ホルモンの異常や腎臓の病気、先天性疾患の関係が疑われる骨粗鬆症
- 女性診療科・産科:無月経(原発性、続発性)、卵巣機能低下、女性アスリート、および周閉経期や閉経後女性の骨粗鬆症
- 老年病科:骨粗鬆症に加え、認知症、フレイル (加齢に伴う心身の活力低下) 、サルコペニア (加齢に伴う筋肉減少) など、高齢者特有の病態も含めた総合的な診療。
- アレルギー・リウマチ内科:関節リウマチに合併した骨粗鬆症や、膠原病に対するステロイド加療に伴う骨粗鬆症
治療方針
骨密度測定や血液検査を行い、骨の状態を正確に把握した上で、必要に応じて患者さん一人一人にあった治療法を提案します。
対象疾患
骨粗鬆症全般のほか、以下のような骨代謝異常を伴う疾患も広く扱っています。骨密度の著しい低下や、カルシウム、リン、アルカリホスファターゼの異常など、骨代謝の異常がみられる場合は、当センターで詳細に精査します。骨形成不全症の患者さんには骨形成促進薬などを用いた治療を積極的に行っています。
- 骨形成不全症
- X染色体連鎖性骨粗鬆症
- 骨粗鬆症-偽性神経膠腫症候群
- くる病・骨軟化症
- FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症
- ファンコーニ症候群
- デント病
- ロウ症候群
- ビタミンD欠乏症/依存症
- 低ホスファターゼ症
- 大理石骨病
- 副甲状腺機能亢進症
先進・特殊医療
遺伝性の疾患(骨形成不全症、低ホスファターゼ症、遺伝性低リン血症性くる病、ビタミンD依存症、大理石骨病など)が疑われる場合、ご希望に合わせて自費で遺伝子検査を行っています。
主な検査と説明
放射線を用いて骨密度を測定し、血液検査によって骨代謝の状態を調べます。結果は随時外来にてお知らせします。必要に応じて遺伝子検査など、さらに詳しい検査も行います。
当センターを受診される患者さんへ
放当センターでは取得した患者さんの記録を、医療機関としてだけではなく教育研究期間としての目的にも利用させて頂きたいと考えています。ご理解ご協力のほど、宜しくお願いします。詳しくは以下の文書をご確認下さい。
センター長
齋藤 琢(さいとう たく)
リンク
女性診療科・産科