心臓外科
虚血性心疾患、心臓弁膜症、大動脈疾患、先天性心疾患の外科治療を行っています。人工心肺を使用した開心術はもちろんのこと、人工心肺を使用しないオフポンプバイパス手術や大動脈ステント治療も積極的に行っています。心臓移植実施施設・植込型補助人工心臓実施施設として、重症心不全に対する治療(補助人工心臓装着、心臓移植など)を推進しています。
お知らせ
月曜日から金曜日まで外来診療を行っています。担当医などの詳細は外来予定表を参照してください。
概要
診療体制
外来診療は月曜日から金曜日まで行っています。成人チーム週3回(月、水、金)、小児チーム週2回(火、木)の定時手術日に加え、緊急手術も多数行われています。成人心疾患チーム(虚血性心疾患、心臓弁膜症、重症心不全など)、大動脈疾患チーム(胸部大動脈瘤、大動脈解離など)と先天性心疾患チーム(単心室症・複雑心奇形・ファロー四徴症・心室中隔欠損症・心房中隔欠損症など)の3チームに分かれており、各チームは1~2名のスタッフ(教員)と1~2名のジュニアスタッフ、1名のレジデント(研修医)から構成されています。
治療方針
十分な検査と討論を経て、毎朝行われる臨床カンファランスで治療方針を決定しています。手術後経過の検討も詳細に行い、極め細やかな術後管理を心がけています。また、循環器内科や小児科からの紹介を受ける場合については、心臓外科臨床カンファランスに加え、各科との合同カンファランスなどで十分に検討を行っています。
得意分野
冠動脈バイパスでは、人工心肺を使用しないoff-pumpバイパスを90%以上の症例で行っています。弁膜疾患では、僧帽弁閉鎖不全症に対して積極的に形成術を行っています。また、大動脈弁輪拡張症に対する自己弁温存大動脈基部置換術を積極的に行い、優れた成績をあげています。大動脈疾患では、脳保護や脊髄保護を厳重に行い、高齢者や合併症を有する重症症例に対しても良好な手術成績をあげてきています。先天性心疾患では、複雑心奇形の外科治療で良好な成績をあげるとともに、超低出生体重児に対する動脈管開存症手術などにも積極的に取り組んでいます。心臓移植実施施設・植込型補助人工心臓実施施設として、重症心不全症例に対して補助人工心臓植込みを推進するとともに、これまでに心臓移植を230例以上に施行し、日本をリードする優れた成績をあげています。また、日本で最大の東京大学組織移植バンクの設立・運営母体として、通常の方法では治療が困難な感染性心内膜炎・感染性動脈瘤・先天性心疾患に対して、ホモグラフト(心臓弁、血管などの同種組織)治療を推進し、優れた治療成績をあげています。凍結保存同種心臓弁・血管手術は先進医療を経て平成28年より保険収載されております。
対象疾患
虚血性心疾患、心臓弁膜症、大動脈疾患、先天性心疾患、重症心不全など。
先進・特殊医療
補助人工心臓
薬物療法では治療が困難な重症心不全に対する治療として行っています。心臓移植への橋渡し(ブリッジ)治療としては植込型補助人工心臓を積極的に導入し、在宅療養での心臓移植待機を推進しています。心臓移植へのブリッジ治療のみならず、自己心機能の回復を促す治療も積極的に進めています。 また、コメディカルと連携も密であり、人工心臓管理技術認定士(看護師・臨床工学技士)の育成を積極的に支援しています。
心臓移植
心臓移植実施施設としてこれまでに心臓移植を230例以上に行い、国内でも最も優れた治療成績をあげています。
ホモグラフト(凍結保存同種心臓弁・血管組織)
感染性心内膜炎(特に人工弁感染症)、感染症大動脈瘤・人工血管感染や先天性心疾患のうち通常の手術法では困難と思われる症例にホモグラフトを使用し、良好な成績をあげています。
科長
小野 稔(おの みのる)
リンク
【関連学会】
日本外科学会、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本循環器学会、日本心臓病学会、日本小児循環器学会、日本人工臓器学会、日本移植学会、アメリカ胸部外科学会、ヨーロッパ胸部心臓外科学会、アジア心臓血管外科学会日本低温医学会、日本臨床補助人工心臓研究会など