血友病性関節症センター
血友病は血液が凝固しづらい疾患であり、国内に7200人の患者さんがいます。血友病は筋肉や関節に出血が起こることが特徴であり、出血が繰り返されると血友病性関節症という関節障害をきたします。関節症は関節変形や疼痛、日常生活動作の制限の原因となります。東大病院では、患者さんにより高度で専門的な血友病性関節症の診療を提供するため、複数の診療科が協力して、2025年4月に血友病性関節症センターを開設しました。整形外科、血液・腫瘍内科、リハビリテーション科、小児科の協力のもと診療に当たります。
お知らせ
- 血友病性関節症に関する診察、治療をご希望の患者さんへ
かかりつけの先生などから紹介状を書いていただき、東大病院予約センターにお電話ください。 - 血友病性関節症の患者さんをご紹介いただく先生方へ
紹介状を作成し、血友病性関節症センター担当医師宛にご紹介ください。
概要
診療体制
血友病性関節症は一つの関節だけでなく、複数の関節が障害されることが特徴です。
整形外科では、血友病に伴う関節症(関節障害、脊椎疾患、骨粗鬆症)を診察し、適切な治療方針(手術やリハビリテーション)提案します。
血液・腫瘍内科、検査部では、成人、小児科では小児の血友病患者さんを対象とし、関節障害に影響する出血の抑制に関して最適な薬剤や薬剤量などを提案します。
リハビリテーション部では、主に装具などの調整を行います。
治療方針
関節機能改善のために手術治療を選択した場合、検査部やリハビリテーション部と協力して、安全な周術期の薬剤調整、検査、術後リハビリテーションを行います。
リハビリテーション部では、主に装具などの調整を行います。
得意分野
血友病性関節症に関連する関節機能評価(X線、MRI、関節エコー)や身体機能評価
関節手術(人工関節や関節鏡視下滑膜切除術、関節固定術など)、脊椎手術、術後リハビリテーション
対象疾患
血友病や血液凝固疾患の患者さん
主な検査と説明
各関節の評価のために、X線、MRI、関節エコーを組み合わせて行います。また、各関節の可動域の測定や、関節の疼痛の有無、歩容のチェックなど、身体機能評価を行います。
また、関節出血の程度に応じて、血液製剤の血中凝固因子活性値測定を経時的に測定する薬物動態試験を実施することがあります。
関節手術を行う場合、術前に全身の精査、下肢静脈エコー、薬物動態試験や画像検査を行い、全身状態を評価します。
センター長
