東京大学医学部脳神経外科

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研究紹介

一般社団法人日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database)に関する研究への参加について

一般社団法人日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database)に関する研究

 現在、当院では、「日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database:JND)」に協力しています。2018年1月から当院脳神経外科に入院された患者さんの臨床データを解析させて頂き、脳神経外科医療の質の評価に役立てることを目的としています。
 解析にあたって提供するデータは、提供前に個人を特定できない形に加工した上で提供しますので、患者さんの個人のプライバシーは完全に保護されます。

1.研究の対象

2018年1月1日〜2022年12月31日に東大病院脳神経外科に入院された方

2.研究目的・方法

近年、高齢化の進展と医療費の増加に伴い、世界的に医療の質や適切な医療を受けることに対する関心は高まりつつあります。本研究の目的は、日本脳神経外科学会の会員や専門医が所属する、日本全国の脳神経外科施設における手術を含む医療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すことです。データベースは複数の階層からなります。最も基本的なデータベース(以下、基盤データベース)では、できるだけ多くの患者さんの簡素な医療情報を収集し、より高層階のデータベースでは、臨床研究、医療機器開発、治験、お薬や医療機器の市販後調査などの個別の目的に応じたデータベースを構築する予定です。収集したデータを分析することで、日本の脳神経外科領域における以下の課題について明らかにすることができます。

  • 手術を含む脳神経外科医療を行っている施設の特徴
  • 医療水準の評価
  • 手術・治療を受けた方の治療の結果
  • これから手術・治療を受ける方の死亡・合併症の危険性の予測など
  • 専門医の資格更新要件到達度
  • 専攻医の研修目標到達度
  • 脳神経外科専門医制度のあり方に関する基礎資料
  • 医療機器や薬剤などの市場調査
  • 臨床研究、治験などを計画する際の基礎資料

これにより、日本の脳神経外科医療の実態を「見える化」し、明らかとなった課題に対して実際のデータに基づく改善策の検討や、施設、地域や全国単位での医療の水準を明らかにし、比較することなどが可能となります。また、分析結果から、より正確に手術や治療にともなう危険が明らかとなり、担当医は患者さんやご家族とともに、治療に伴う危険と利益を共有した上で、治療方針を決定することができます。全国の脳神経外科医療の実態を俯瞰した視点で検証することで、全国の患者さんが安心して手術・治療を受けられるようにするため、より良い脳神経外科専門医制度のあり方を検証するための基礎資料ともなります。今後、基盤データベースを発展させ、さまざまな研究と連携して運営することで、臨床現場がさらに充実した脳神経外科医療を提供していくために役立つものとなります。

この事業は、日本脳神経外科学会が主導する多施設共同研究です。この研究では、日本脳神経外科学会の会員や専門医が所属する、日本全国の脳神経外科施設に入院されている患者さん全てを対象とさせていただく予定です。日本全国で年間約30万件の患者さんの登録を予定しております。この研究では、手術や検査など、通常の診療で行われる脳神経外科医療の情報を、専用のインターネットを介して、日本脳神経外科学会(以下本学会)事務局に送ります。個人を特定される情報は含みません。自分の情報の登録を希望されない方は、下記の東京大学附属病院脳神経外科の問い合わせ先に御連絡ください。未成者や成人で十分な判断能力のない場合、成人で意識のない場合でも代諾者などからもその希望を受付致します。日本脳神経外科学会では、事務局で全国から収集しましたデータを用いて、脳神経外科で入院治療を受けられた患者さんの病気ごとの治療件数や治療に伴うリスクや入院日数などについて、解析を行う予定です。研究期間は、承認後から2022年12月31日までを予定しています。

3.研究に用いる試料・情報の種類

登録項目の実際は、下記のとおりです。

①施設情報 ②患者情報 • 生年月(生年のみ必須) • 年齢 • 性別 • 登録の拒否申請 • 患者居住地の所在地情報 • 発症日 • 発症前 mRankin scale ③主治医情報 ④入院情報 • 入院年月日 • 入院経路 • 予定入院/緊急入院 • 救急搬送の有無 ⑤退院情報 • 退院年月日• 在院日数 • 退院先 • 退院時 mRankin Scale • 退院時 Glasgow Outcome Scale (GOS) ⑥診療目的 • 診断検査 • 教育入院 • 内科治療 • 手術 • 化学療法 • 放射線治療 • リハビリテーション • 終末期管理 • その他 ⑦診断検査 • CT • MRI • 脳波 • 核医学 • 高次脳機能検査 • 脊髄造影 • カテーテル血管撮影/読影 • その他 ⑧内科治療 • 抗血小板療法 • 抗凝固療法 • 脳保護療法 • 抗浮腫療法 • けいれん てんかん 薬物療法 • 頭痛 薬物療法 • モニタリング下の神経集中治療 • 感染症治療 • その他 ⑨化学療法 ⑩放射線療法 • 定位放射線治療 • 定位放射線治療以外 ⑪手術 大分類 (以下、大分類ごとに、主病名、発症形式、術式を登録) • 脳腫瘍 • 脳血管障害 • 頭部外傷 • 水頭症/奇形 • 脊髄/脊椎/末梢神経 • 脳症/感染症/炎症性疾患/その他 主病名 発症形式/受傷機転(頭部外傷のみ) 術式 ⑫ 手術情報 • 手術日 • 手術時年齢 • 術式分類 • 術者 • 指導的助手 • 開頭術者 • 助手 • 見学 • 麻酔法 • 手術回数

4.外部への試料・情報の提供

データセンターへのデータの提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。対応表は、各施設の責任者が保管・管理します。

5.研究組織

全国の脳神経外科講座を有する80大学やナショナルセンターなどが主な研究施設となり、その他日本脳神経外科学会研修プログラム参加施設をはじめとする、日本脳神経外科学会の会員や専門医が所属している施設が研究組織を構成します。

6.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

自分情報の登録を希望されない方は、下記の問い合わせ先に御連絡ください。未成者や成人で十分な判断能力のない場合、成人で意識のない場合でも代諾者などからもその希望を受付致します。研究にご協力頂けない場合にも、皆様の不利益につながることはありません。

研究責任者: 東京大学医学部附属病院 脳神経外科 教授 斉藤延人

(お問合せ先)
東京大学医学部附属病院 脳神経外科 宮脇哲
〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
TEL:03-5800-8853、FAX:03-5800-8655

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