当院脳神経外科では、脳波計測で電極を頭皮に固定するための材料を東京大学工学部とともに開発しております。下記の研究課題において、新規材料の性能評価を比較するために、従来型ペーストで脳波計測を受けて頂いた患者さんのデータを対照として使用させて頂く予定です。
この研究の対象者に該当する可能性がある方で、診療情報等を研究目的に利用または提出されることを希望されない場合
は2023年12月31日までに末尾に記載の問い合わせ先までご連絡ください。
長時間頭皮脳波計測における温度感応性ゲルの性能評価(審査番号2023127NI)
この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
研究機関 東京大学医学部附属病院・脳神経外科
研究責任者 嶋田勢二郎・助教
担当業務 研究計画立案・データ取得・データ解析
研究機関 東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻 染谷研究室
担当業務 温度感応性ゲルの作製・データ解析
この研究に利用する試料・情報は共同研究機関の範囲のみで利用されます。
承認日 〜 2026年8月31日
2020年1月1日 〜 承認日までに当院脳神経外科で長時間頭皮脳波計測を受けられた方。
てんかんは、発作を繰り返すことにより社会への参加が制限される慢性の病気であり、それにより生活の質は大きく損なわれることがあります。てんかんを診断する際の決め手になるのは発作の症状と発作を起こしている最中の脳波であり、これをとらえるために長時間ビデオ脳波検査はなくてはならない検査です。長時間ビデオ脳波検査を行う際には、電極を頭皮に固定するために、専用のペーストを使用します。残念ながらこのペーストには二つの欠点があります。ひとつは、時間がたつと電極が外れてしまうこと、もうひとつは簡単に洗い落とすことができないこと、です。
本研究で使用する「バイオゲル」は、体温に近い温度で液体から固体に変化します。固まったあともよく電気を通します。一旦固まってしまえば、簡単に外れないため、長時間に渡って安定して脳波を記録し続けることができると考えられます。また、水で簡単に洗い流せるため、検査が終わってもしばらく髪がべとつくということがありません。バイオゲルによる脳波検査の有効性が示されれば、長時間ビデオ脳波検査がやりやすくなり、沢山の患者さんが正しく診断され、適切な治療を受けられるようになります。本研究では、てんかんをもつ患者さんを対象として バイオゲルを用いた長時間ビデオ脳波検査を行い、バイオゲルの脳波計測における性能を評価することを目的とします。その比較のために、上記の対象となる方の診療情報等を使用させて頂く予定です。
これまでの診療で診療録(カルテ)に記録されている診療録情報(生年月日(年齢)、性別、現病歴、治療歴(薬剤名、投与期間)・治療経過、脳波所見などの臨床情報)および脳波データを取得して行う研究です。特に研究対象者の皆さんに新たにご負担いただくことはありません。
なお、研究計画書や研究の方法に関する資料を入手・閲覧して、研究内容を詳しくお知りになりたい場合は、末尾の連絡先にお問い合わせください。他の研究対象者の個人情報等の保護や研究の独創性確保に支障がない範囲でご提供させていただきます。
この研究に関わって取得される試料や資料・情報等は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。
取得した試料や資料・情報等は、解析する前に氏名・住所・生年月日等の個人情報を削り、代わりに新しく研究用の符号をつけ、どなたのものか分からないようにします。どなたのものか分からないように加工した上で、ネットワークに接続されていない大容量HDDやPCに電子的に厳重に保管します。ただし、必要な場合には、当科においてこの符号を元の氏名等に戻す操作を行い、結果をあなたにお知らせすることもできます。
取得した試料や資料・情報等は、東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻 染谷研究室にも送られ解析・保存されますが、送付前に氏名・住所・生年月日等の個人情報を削り研究用の符号をつけ、どなたのものか分からないようにします。どなたのものか分からないように加工した上で、東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻 染谷研究室のネットワークに接続されていない大容量HDDやPCに電子的に厳重に保管します。ただし、必要な場合には、当科においてこの符号を元の氏名等に戻す操作を行うこともできます。
この研究のためにご自分(あるいはご家族)の試料や情報・データ等を使用してほしくない場合は主治医にお伝えいただくか、下記の問い合わせ先に2023年12月31日までご連絡ください。研究に参加いただけない場合でも、将来にわたって不利益が生じることはありません。
ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせていただきます。
研究の成果は、あなたの氏名等の個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌等で公表します。
取得した試料や情報・データ等は厳重な管理のもと、研究終了後5年間保存されます。保管期間終了後には、電子的にデータを削除することですることで廃棄します。なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。
尚、提供いただいた試料・情報の管理の責任者は下記の通りです。
試料・情報の管理責任者
所属:東京大学医学部附属病院脳神経外科
氏名:嶋田勢二郎
本研究の結果として知的財産権等が生じる可能性がありますが、その権利は国、研究機関、民間企業を含む共同研究機関及び研究従事者等に属し、研究対象者はこの特許権等を持ちません。また、その知的財産権等に基づき経済的利益が生じる可能性がありますが、これについての権利も持ちません。
この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学医学部附属病院長の許可を受けて実施するものです。
この研究に関する費用は、本研究は、脳神経外科の研究費(奨学寄付金)から支出されています。本研究に関連する企業はなく、本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。尚、あなたへの謝金はございません。
この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。
2023年9月
研究責任者:嶋田勢二郎
連絡担当者:嶋田勢二郎
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学医学部附属病院 脳神経外科
Tel: 03-5800-8853(内線33345)Fax: 03-5800-8655
URL:www.h.u-tokyo.ac.jp/neurosurg/