東京大学医学部脳神経外科

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研究紹介

当院の脳神経外科で診療を受けた方ならびにご家族の方へ

 当院では、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「未来医療を実現する医療機器・システム開発」事業の「術中の迅速な判断・決定を支援するための診断支援機器・システム開発」が展開する多施設共同研究「術前と術中をつなぐスマート手術ガイドソフトウェアの開発」に参加しております。
これは医用画像、手術手技、教科書的な情報を統合することによって手術検討や手術の補助を目的としたソフトウェアを開発する研究です。

研究課題 「術前と術中をつなぐスマート手術ガイドソフトウェアの開発」(審査番号11820)
研究機関名及び
本学の研究責任者氏名
この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
研究機関 東京大学医学部附属病院脳神経外科
 研究責任者 齊藤延人 脳神経外科 教授
担当業務  研究統括
共同研究機関
(カッコ内は責任者)
東京医科歯科大学生体材料工学研究所医療デバイス研究部門バイオ情報分野(中島義和)
東京大学大学院情報理工学系研究科(五十嵐健夫)
東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻(小山博史)
株式会社Kompath(高橋遼平)

<担当業務> 
東京医科歯科大学生体材料工学研究所医療デバイス研究部門バイオ情報分野:データ解析、ソフトウェア開発
東京大学大学院情報理工学系研究科:データ解析、ソフトウェア開発
東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻:データ解析、システム開発
株式会社Kompath:ソフトウェア開発、産業化
研究期間 承認後〜2022年3月31日
対象となる方 2008年3月31日から2019年3月31日までの間に東京大学附属病院脳神経外科を受診もしくは入院された、脳・脊髄・末梢神経疾患の患者さんです。内訳は、脳動脈瘤・脳動静脈奇形・硬膜動静脈瘻・もやもや病・髄膜腫・聴神経腫瘍・下垂体腫瘍・神経膠腫・胚細胞腫瘍・その他の脳腫瘍・脊髄動静脈奇形・脊髄腫瘍・末梢神経腫瘍・三叉神経痛・顔面けいれんとなります。
研究の意義と目的  本プロジェクトでは、脳神経外科の術前手術シミュレーションと、術中ナビゲーションシステムに応用可能な、「必要な情報を簡単に視認でき、操作が簡単で、正確に情報が共有できる」手術ガイドソフトウェアを開発することを目的としています。コンピュータグラフィックス(CG)をベースとし、人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)による自動化と効率化を図り、機械の判断を迅速かつ容易に修正できるよう半自動化機能を充実させます。本ソフトウェアから得られる患者テーラーメイドなCGモデルを用いて、医用画像、手術から得られる生体情報、医学的知識、および手術顕微鏡や神経内視鏡との統合を目指します。本ソフトウェアを使用することによって、術前および術中情報がシームレスにつながることになり、高精細な手術検討が可能となります。将来的には、本開発成果によって、高精度な手術計画が多くの病院で可能となることにより手術手技の標準化に貢献し、手術合併症などのリスク低下、手術時間の短縮、手術計画達成率の向上などが期待されます。これによって、医療の迅速化、効率化、および安全性の向上を支援することを示します。
研究の方法 この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受けて実施するものです。これまでの診療で取得された医用画像などのデータを収集して行う研究です。特に患者さんに新たにご負担いただくことはありません。
研究内容としては、脳疾患の観察研究(生体試料を用いないカルテ調査)を行い、上記研究プロジェクトに関する開発と評価に使用します。カルテ情報からは診断名のみを参考にします。あなたがこれまでの診療や治療のために取得された情報(頭部のCT、MRI、3次元脳血管撮影、および手術顕微鏡から得られる脳表や病変周囲の写真もしくはビデオ)が本研究で使用されます。
本研究は多施設共同研究であり、共同研究施設へ画像検査等のデータの提供をおこないます。提供される資料はCT、MRI、脳血管撮影の画像検査データおよび手術顕微鏡から得られる手術野の写真もしくはビデオとなります。これらのデータから特殊な画像処理を用いて頭蓋骨、動脈、静脈、大脳、小脳などの3次元コンピュータグラフィックスを作成します。これらのデータから個人が特定されることはありません。
個人情報の保護  この研究に関わって収集される資料やデータ等は、個人情報が外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱います。
あなたの医用画像データは、上記の共同研究機関(東京医科歯科大学生体材料工学研究所医療デバイス研究部門バイオ情報分野および株式会社Kompath)に送られ解析・保存されますが、送付前に研究責任者(東京大学医学部附属病院脳神経外科 齊藤延人)が氏名・住所・生年月日等の個人を識別できる情報を削り、代わりに新しく符号をつけ、どなたのものか分からないように匿名化します。この匿名化の対応表は、当研究室において研究責任者がパスワードロックをかけたパソコンで厳重に保管します。画像データ内の顔面に相当する部分はあらかじめ削除しますので、画像データや3次元コンピュータグラフィックスからも個人が特定されることはありません。これらのデータは、パスワードのかかったDVDなどの電子的記録媒体によって上記にあげた全ての共同研究機関へ提供されます。

この研究のためにご自分のデータを使用してほしくない場合は主治医にお伝えいただくか、下記の研究事務局まで2019年3月31日までにご連絡ください。患者さん自身が意識のない場合や十分な判断能力がないとみなされる場合には、ご家族もしくはそれに準ずる方がご連絡ください。ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせて頂きます。

研究結果は、個人が特定できない形式で学会・論文等で発表されます。収集したデータは厳重な管理のもと、研究終了後5年間保存されます。なお本研究に使用されたあなたのデータついてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。ご不明な点がありましたら主治医または研究事務局へお尋ねください。
この研究に関する費用は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「未来医療を実現する医療機器・システム開発」事業の「術中の迅速な判断・決定を支援するための診断支援機器・システム開発」が展開する多施設共同研究「術前と術中をつなぐスマート手術ガイドソフトウェアの開発」から支出されています。
本研究は株式会社Kompathとの共同研究です。開示すべき利益相反関係はありません。

尚、あなたへの謝金はございません。また、本研究の結果として特許権などが生じる可能性がありますが、その権利は国、研究機関、民間企業を含む共同研究機関及び研究従事者などに属し、皆様はこの特許権等を持ちません。また、その特許権等に基づき経済的利益が生じる可能性がありますが、これについての権利も持ちません。ご不明な点がありましたら主治医または研究事務局へお尋ねください。
問い合わせ先 東京大学医学部附属病院脳神経外科科 助教 金太一
住所:東京都文京区本郷7-3-1
電話:03-5800-8853(内線 37592)  FAX:03-5800-8655
Eメールでのお問い合わせ:tkin-tky@umin.ac.jp

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