【プレスリリース】Hes1 を中心とした変形性関節症の制御機構の解明

2015年03月03日研究


変形性関節症は高齢者の運動機能を脅かす代表的な疾患であり、膝関節だけで国内に2,530 万人の患者がいると推定されていますが、根治療法は開発されていません。東京大学大学院医学系研究科/医学部附属病院 整形外科と同医学部附属病院骨・軟骨再生医療講座、同疾患生命工学センターの合同研究チームは、以前Notch シグナルが変形性関節症を強く制御することをマウスの実験によって発見し報告しました(2013年1月15日プレスリリース)。

今回、同チームの杉田守礼医師、田中栄教授、齋藤琢特任准教授らは、遺伝子改変マウスや次世代シーケンサーによる転写解析などを駆使して、Notch シグナルの中心として転写因子であるHes1 タンパク質がさまざまなタンパク分解酵素や炎症性分子を誘導する機構を明らかにしました。さらに、本研究の成果から変形性関節症の治療標的となりうる候補分子が複数得られました。Notch・Hes1 は神経系など多くの組織・臓器の構築に重要な役割を果たすことから、これらの知見は生物学の幅広い分野でも役立つことが期待されます。

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