【プレスリリース】胎盤を通過しにくく胎児毒性を抑えたアンジオテンシンII受容体拮抗薬を開発
2026年10月07日研究
―妊娠高血圧腎症の新たな治療薬開発に期待―
東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座の入山高行准教授、稲岡直子(医学博士課程、同大学医学部附属病院 助教:研究当時)、同大学大学院薬学系研究科附属創薬機構の安田公助特任准教授、金光佳世子特任准教授らの研究グループは、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)に化学修飾を施し、胎盤を通過しにくい新規化合物を創製しました。この化合物は、妊娠高血圧腎症動物モデルにおいて治療効果を維持しながら、胎児への有害な影響を抑えられることを示しました。
妊娠高血圧腎症は、母児の生命を脅かす重篤な妊娠合併症ですが、根本的な治療法は確立されていません。ARBは有望な治療薬候補である一方、胎盤を通過して胎児毒性を引き起こすため、妊娠中は使用できません。
本研究は、胎盤通過性を制御することで、妊娠中は胎児毒性のため使用できない薬剤を安全に使用できるようにする新たな創薬戦略を示すものです。今後、妊娠高血圧腎症のみならず、妊娠中に薬物治療を必要とするさまざまな疾患に対する治療薬開発への応用につながることが期待されます。
なお、本研究成果は、2026年10月7日(米国東部夏時間)に米国心臓協会の学術誌『Journal of the American Heart Association(JAHA)』オンライン版に掲載されました。
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