【プレスリリース】膵癌のリスク層別化を実現する新たな視点~脂肪膵とIPMN併存癌~
2025年06月04日研究
―MRIを活用した観察研究―
東京大学医学部附属病院 消化器内科の大山博生 助教、浜田毅 助教、藤城光弘 教授らによる研究グループは、脂肪膵を有する患者がIPMN由来癌ではなくIPMN併存癌を発症するリスクが高いことを明らかにしました。
IPMNは膵癌の高リスク群であり、IPMN由来癌とIPMN併存癌が同程度の頻度で発生することが知られています。一方で近年、脂肪膵が膵癌のリスク因子であることが認識されてきています。本研究では330ものIPMN症例について、MRI画像(T1強調画像)を用いて脂肪膵の程度を定量的に測定することで、IPMNの長期経過観察開始当初から脂肪膵を認める場合にIPMN併存癌に罹患しやすく、高度な脂肪膵の患者ほどIPMN併存癌に罹患するリスクが高くなることを世界で初めて報告しました。先行研究と比較して、IPMN由来癌とIPMN併存癌の発生機序の違いに迫る点、脂肪膵と通常型膵癌の発生との因果関係を明確にした点で新規性があり、この研究成果は今後膵癌のリスク層別化や早期発見に役立つことが期待されます。
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