【プレスリリース】過度の胃酸抑制は胃癌発生を助長する?
2024年02月15日研究
―胃酸分泌抑制薬の功罪―
東京大学医学部附属病院 消化器内科 新井絢也 医師、新倉量太 医師、早河翼 講師、藤城光弘 教授と、東京大学大学院医学系研究科 ヘルスサービスリサーチ講座 宮脇敦士 特任講師、公益財団法人 朝日生命成人病研究所 春日雅人 所長らによる研究グループは、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(以下、PCAB)使用がピロリ菌除菌後に発症する胃癌のリスクを高めることを明らかにしました。
本研究では大規模レセプトデータを用いたpopulation based studyにより、ピロリ菌除菌後の患者集団において、ヒスタミンH2受容体拮抗薬(以下、H2RA)内0服群と比較してPCAB内服群の方が胃癌発症リスクが高いことを世界で初めて示しました。
先行研究では、もう一つの主要な酸分泌抑制薬であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)とピロリ菌除菌後胃癌との関連が報告されてきましたが、今回新しい酸分泌抑制薬であるPCABにおいても同様の関連が存在することを示したことに関して新規性があり、この研究成果は今後の酸分泌抑制薬使用期間・内視鏡検査間隔の適正化やピロリ菌除菌後胃癌のリスク層別化に役立つことが期待されます。
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