【プレスリリース】不眠症に対する認知行動療法の有効な要素を解明

2024年01月18日研究


東京大学医学部附属病院精神神経科の古川由己特任臨床医、京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康要因学講座健康増進・行動学の坂田昌嗣助教、江戸川大学社会学部人間心理学科の山本隆一郎教授、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の中島俊准教授(国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター室長(研究当時))らの研究グループは、系統的レビューと要素ネットワークメタアナリシスを実施し、不眠症の認知行動療法の有効な要素を明らかにしました。

本研究では、最先端の統計解析手法である要素ネットワークメタアナリシスを用いることで、複数の要素の組み合わせから成る不眠症の認知行動療法の要素ごとの有効性を世界で初めて推定しました。不眠症に対して認知行動療法が有効であることは実証されていましたが、複数の要素のうちのどの要素が有効なのかは知られていませんでした。本研究では、認知行動療法の構成要素まで詳細に検討することで、全体としてだけでなく要素ごとの有効性を検証し、睡眠制限法・刺激統制法・認知再構成・第3世代の手法(マインドフルネス等)・対面提供が有効であることを明らかにしました。一方、臨床現場でよく用いられている睡眠衛生指導やリラクゼーションの有効性は示されませんでした。この研究成果は今後、有効性の高い要素を含み、有効性の低い要素を省略した、効果的かつ効率的なプログラムの開発に繋がり、不眠症の認知行動療法の今後の普及を促進し、多くの方が悩む不眠症の改善につながることが期待されます。

本研究成果は、米国の医学誌「JAMA Psychiatry」(オンライン版)にて1月17日(米国東部標準時)に発表されました。

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