【プレスリリース】助けを求められず自殺リスクの高い思春期児童の一群を深層学習技術で同定

2023年12月14日研究


―東京ティーンコホートの児童本人と養育者による評価から―

東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻臨床神経精神医学講座の長岡大樹大学院生(医学博士課程)、安藤俊太郎准教授、笠井清登教授(同大学国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構(WPI-IRCN)主任研究者)、同大学大学院教育学研究科教育心理学講座の宇佐美慧准教授、東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターの西田淳志センター長らの研究グループは、一般の思春期児童2,344人の多様な精神症状の変化のパターンが特徴的な5つのグループに分かれることと、そのうちの1つは周囲に助けを求められない傾向を持ち、本人の苦痛が養育者から見逃されて自傷や希死念慮のリスクが高い一群であることを見出しました。

思春期児童本人と養育者が評価した思春期児童における多くの精神症状とその時間経過に伴う変化について、同時に扱うことを深層学習技術により可能とし、精神病理の複雑な変化のパターンとその特徴を検証できた初めての研究です。本研究の知見は、思春期児童の主観的な体験に耳を傾ける重要性と、周囲に助けを求められない苦痛を抱える児童の存在に光を当てることで、社会として思春期児童を支援する枠組みを構築するための土台となることが期待されます。

なお、本研究は英国医学雑誌「The Lancet Regional Health ―Western Pacific」(オンライン版:協定世界時12月13日)に掲載されました。

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