【プレスリリース】悪性度の高い子宮頸癌の原因となるHPV18型の標的細胞とウイルス複製の特徴を解明

2023年11月24日研究


東京大学医学部附属病院女性診療科・産科の田口歩届出研究員、東京大学大学院医学系研究科生殖・発達・加齢医学専攻の豊原佑典大学院生、曾根献文准教授、大須賀穣教授ならびに、早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構の松永浩子次席研究員、早稲田大学大学院先進理工学研究科生命医科学専攻の竹山春子教授らの研究グループは、子宮頸癌の原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の中でも悪性度の高い癌の原因とされるHPV18型の標的細胞に注目し、HPV18型の複製に関与する細胞内分子NPM3の同定に成功しました。

子宮頸癌は、HPVが子宮頸部のSCJ部位に感染すると細胞内でHPV初期プロモーターという遺伝子領域が活性化します。本研究グループは、HPV18型初期プロモーター下流に発光蛋白遺伝子を組み込んだベクターを作製し、患者由来のSCJオルガノイドに導入する世界初の実験を行いました。さらに、次世代シーケンサーを用い、シングルセル解析によって、初期プロモーターが活性化した個々の細胞の特徴を解析しました。これにより、SCJの中でもより未分化な細胞内でHPV18型初期プロモーターが活性化しやすいことや、ヒストンシャペロン蛋白であるNPM3がHPV18型ウイルスの複製に関わっていることを解明しました。

本研究成果は、日本癌学会誌「Cancer Science」の本掲載に先立ち、11月24日にオンライン版で掲載されました。

※詳細は添付ファイルをご覧下さい。


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