【プレスリリース】腱・靱帯の修復メカニズムの解明

2022年08月20日研究


東京大学大学院医学系研究科の立花直寛(医学博士課程[研究当時])、田中栄教授、齋藤琢准教授らのグループは、腱・靭帯が障害を受けた際に出現する新規のプロジェニター細胞を発見しました。腱や靱帯が損傷を受けると、その修復過程において本来出来てはならない軟骨や骨が生じてしまうことがあり、そうすると痛みが出て、関節の機能が著しく損なわれてしまいます。1細胞毎に発現遺伝子を解析するシングルセル解析の手法を駆使し、腱の修復過程に関わる全ての細胞を解析したところ、プロジェニター細胞集団の中にRSPO2を発現する一群がいることを発見しました。このRSPO2を分泌するプロジェニター細胞は、主にRSPO2の分泌を介して周囲の細胞の軟骨化や骨化を抑制しており、後縦靭帯骨化症の発症にも関わっていることが分かりました。このプロジェニター細胞は腱・靱帯の維持に広く関わっている可能性が高く、本研究の成果は様々な関節や脊椎の変性疾患のメカニズム解明にも繋がる成果と期待されます。本研究成果は日本時間2022年8月20日(米国東部夏時間:8月19日)に米国科学誌「Science Advances」のオンライン版に掲載されました。本研究は、主に科研費「基盤研究(S)(課題番号:19H05654)」の支援により実施されました。

※詳細は添付ファイルをご覧下さい。


ファイルを保存される方は、マウスの右クリックから「対象をファイルに保存」、「名前をつけて保存」などを選択して保存して下さい。