【プレスリリース】外科医の手術経験数に男女格差!

2022年07月28日研究


— 外科診療におけるジェンダーバイアスの克服をめざして —

外科医チームメンバーの手術執刀担当の割り振りは、各施設の外科のトップが決めていることがほとんどです。これまでの海外の研究によって、外科医の手術トレーニングに男女格差が存在することがわかっています。しかしながら、若い研修期間中に限定されている報告がほとんどであり、全ての経験年数別に比較されたものはありませんでした。

大阪医科薬科大学の河野恵美子助教、東京大学の野村幸世准教授、及び岐阜大学の吉田和弘学長らの研究グループは、日本の外科手術の95%以上が登録されているNational Clinical Databaseのデータを用いて、6術式(胆嚢摘出術・虫垂切除術・幽門側胃切除術・結腸右半切除術・低位前方切除術・膵頭十二指腸切除術)における外科医1人あたりの執刀数を男女間で比較しました。その結果、全ての術式で女性外科医は男性外科医より執刀数が少ないことが判明しました。格差は手術難易度が高いほど顕著であり、経験年数の増大とともに拡大する傾向にありました。消化器外科に指導的立場の女性が極端に少ないのは、外科手術のトレーニングの機会が均等に与えられていないことが主たる原因であると考えられました

この研究成果は2022年7月27日(現地時間)に米国の学術誌「JAMA surgery」にオンライン掲載されました。

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