【プレスリリース】コロナ禍の他疾患の診療に対する影響の評価

2022年04月25日研究


コロナ禍の医療に対する影響は全世界で甚大であり、我が国の他疾患の診療においても大きな影響があったことが報告されていますが、その全体像は明らかになっていませんでした。

今回、東京大学の山口聡子特任准教授、岡田啓特任助教、山内敏正教授、南学正臣教授、門脇孝名誉教授(虎の門病院院長)らの研究グループは、国内の26施設のデータを含む2017年1月から2020年11月までの診療データベースを用いて、コロナ禍の他疾患の診療に対する影響を俯瞰的に評価しました。2020年5月に入院、外来ともに件数が最も減少しており、小児科で特に著減していました。疾患別に見ると、呼吸器疾患の入院が最も減少していましたが、循環器疾患や消化器疾患でも減少が見られました。内視鏡検査やリハビリの件数も減少が目立った一方で、化学療法や透析療法はほとんど変化がみられなかったことがわかりました。

本研究ではコロナ禍によって他疾患の診療も広い範囲にわたり影響を受けたことがわかりました。今後これらの影響をさらに詳細に調査することで、他疾患の診断や治療の遅れを防ぐことにつながると考えられます。

本研究は、日本時間2022年4月25日に英国科学誌 BMJ Open オンライン版に掲載されました。 なお本研究は、令和2年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業「新型コロナウイルス感染症に対応した新しい生活様式による生活習慣の変化およびその健康影響の解明に向けた研究―生活習慣病の発症および重症化予防の観点から―」(JPMH20CA2046)の助成を受け、門田守人日本医学会連合会長のプロジェクトによって実施されたものです。
東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・生活習慣病予防講座は、朝日生命保険相互会社との社会連携講座です。

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