【プレスリリース】子どもの8人に1人が医療サービスを必要とし、親もストレスを抱えやすい

2021年10月13日研究


東京大学大学院医学系研究科の笠井清登教授、安藤俊太郎准教授、東京大学相談支援研究開発センターの梶奈美子助教、東京都医学総合研究所 社会健康医学研究センターの西田淳志センター長、国立成育医療研究センターの五十嵐隆理事長らのグループは、約4,000名の10歳児とその親を対象としたコホート調査から、一般的な子どもが必要とする水準以上の保健・医療サービスを必要とする子ども(Children with special health care needs (CSHCN))が日本において約12.5%存在し、そうした子どもをもつ親は不安・抑うつを抱えやすく、ソーシャルサポートによって軽減される可能性を示唆しました。

CSHCNは米国で提唱された概念で、米国の17歳までの小児の18.8%に存在する(2016/2017年調査)とされていましたが、偏りの少ない一般住民を対象としたコホート研究からその存在率を示した研究や、親の精神保健問題との関連やソーシャルサポートの媒介可能性を示した研究としては初めての成果です。

昨今、日本においても、医療的ケア児とその親の介護負担の問題がクローズアップされ、本年「医療的ケア児支援法」が成立したところです。CSHCNは医療的ケア児より幅広い概念ですが、こうした子どもたち自身や家族の介護負担に対する心理社会的な支援の拡充の必要性が望まれます。

本研究は、文部科学省科学研究費補助金、厚生労働科学研究費補助金などの補助を得て行われました。

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