【プレスリリース】思春期早期における向社会性の発達に脳帯状回の神経代謝と機能的ネットワークが関連することを発見

2019年01月24日研究


ヒトの向社会的な行動は「他者の利益となるような自発的な行動」と定義されており、小児期に出現し思春期に成熟します。これまでに、思春期の社会認知に前部帯状回が関連することが示されていました。しかし、思春期早期における向社会性の、神経伝達物質や脳機能的ネットワークとの関連は、明らかではありませんでした。東京大学医学部附属病院精神神経科の岡田直大助教、笠井清登教授らの研究グループは、一般人口集団から抽出した大規模な思春期早期の被験者グループを対象とし、磁気共鳴画像法(MRI)を用いた研究により、前部帯状回のγ‐アミノ酪酸(GABA)の濃度が低いと向社会性が高く、前部帯状回と後部帯状回との機能的ネットワークが強いと向社会性が高いことを、新たに見出しました。「ポピュレーション・ニューロサイエンス(Population Neuroscience)」研究による今回の成果は、思春期早期における向社会性の発達に、脳神経の代謝動態や機能的ネットワークが関連することを見出しており、ヒトの主体価値の発展に関する理解を深めるものと期待されます。本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)「戦略的国際脳科学研究推進プログラム」や文部科学省科学研究費補助金などの支援により行われ、日本時間1月24日に英国科学誌『Scientific Reports』(オンライン版)にて発表されました。

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