【プレスリリース】心不全治療の新たな方向性を示す

2013年01月17日研究


― Gタンパク質共役受容体キナーゼのシステイン残基のニトロシル化がβアドレナリン受容体脱感作を抑制する ―

βアドレナリン受容体を持続的に刺激すると、刺激に対する応答が減弱する「脱感作」という現象が起こり、これが心不全などの心血管疾患発症の基盤となることが知られています。しかし、脱感作の発生抑制メカニズムの詳細はこれまではっきり分かっておらず、心血管疾患の新たな治療薬開発に向け、その解明が待たれていました。

今回、東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 飯利太朗博士と薬学系研究科 薬科学専攻 大和田智彦博士の共同研究グループは、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の1つであるβアドレナリン受容体(β受容体)のβ受容体作動薬による脱感作が、Gタンパク質共役型受容体キナーゼ2(GRK2)のシステイン残基のS-ニトロシル化で抑制され、結果として受容体の脱感作を阻止できる可能性を実験的に示唆しました。これまでβ受容体作動薬の脱感作を抑制するメカニズムには議論がありましたが、本成果によって初めて決着がつきました。今後、心不全治療薬開発の新たな方向性を示すことが期待されます。

本研究成果は、2013年1月18日、米国心臓学会サーキュレーションリサーチに掲載されます。

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