【プレスリリース】生活習慣病のひとつ、高尿酸血症の定説を覆す発見

2012年04月04日研究


-新たなしくみに基づく予防法や新薬の開発に期待-

生活習慣病のひとつである高尿酸血症は、激しい関節痛を特徴とする痛風を引き起こすだけでなく、高血圧、脳卒中などの危険因子となることが知られています。従来、高尿酸血症は「腎臓からの尿酸の排泄能力の低下」と「尿酸産生量の過剰」が原因で発症すると考えられてきました。

この度、東京薬科大学の市田公美教授、防衛医科大学校の松尾洋孝講師及び東京大学医学部附属病院の高田龍平助教、 鈴木洋史教授らの研究グループは、尿酸トランスポーター(輸送体)の分子機能に基づく大規模な遺伝子解析と遺伝子改変動物を用いた解析から、これまでの高尿酸血症の概念を大きく変える発見に至りました。すなわち、トランスポーターABCG2 の尿酸排泄機能の低下により、腎臓よりむしろ腸管からの尿酸排泄機能が低下することが、高尿酸血症の主要な原因のひとつであることを発見しました(「Nature Communications」誌 日本時間4月4日掲載)。今回の研究により、腸管からの尿酸の排泄低下をきたすABCG2 遺伝子の変異が高尿酸血症患者全体の約8 割に認められることがわかりました。

本研究は、高尿酸血症を引き起こすメカニズムとして、今まで無視されていた腸管からの尿酸排泄の重要性を示すものであり、現代医学の定説を覆す発見です。この新たなメカニズムの発見により、新たな視点からの予防法や治療薬の開発につながることが大いに期待されます。

※ 詳細は添付のリリース文書をご覧下さい。

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