2型糖尿病に関連する2か所の遺伝子領域を新たに発見
2010年09月06日研究
-日本人の糖尿病の発症リスクに強く関与-
文部科学省が平成20年度から実施している「個人の遺伝情報に応じた医療の実現プロジェクト(第Ⅱ期)」(プロジェクトリーダー:東京大学医科学研究所 教授 中村 祐輔)においては、公募にて研究者を募り、オールジャパンの研究連携体制を構築して、疾患関連遺伝子研究を推進してきました。
今回、メタボリック・シンドローム関連疾患遺伝子研究を進めている東京大学の門脇教授グループが、2型糖尿病(遺伝的要因と生活習慣が関係して発症)に関連する2つの遺伝子が存在する領域を新たに発見しました。
また、欧米などでこれまでに糖尿病に関連する可能性が指摘されていた26か所の遺伝子の存在する領域のうち11か所は、日本人の糖尿病にも関連するということが確認されました。今回の2か所の遺伝子領域の発見と合わせて、少なくとも13か所の遺伝子領域が日本人2型糖尿病に関わりのある遺伝子を含んでいることがわかりました。
今回の成果は、東京大学大学院の門脇 孝教授、山内 敏正特任准教授、原 一雄講師、東京大学医科学研究所の中村 祐輔教授、理化学研究所の前田 士郎チームリーダーを中心とした共同研究による成果です。
これらの成果は、2型糖尿病を起こす仕組みを解明することにつながり、新しい治療法や予防法の開発につながることが期待されます。
なお、今回の研究成果は、米国の科学雑誌「Nature Genetics」(10月号)に掲載されるに先立ち、オンライン版(米国東部夏時間:9月5日13時)に掲載されました。