【プレスリリース】高校生が困った時に友人に助けを求めやすいかは、仲間を積極的に助ける学級の雰囲気と関連

2025年05月16日研究

東京大学医学部附属病院精神神経科の森島遼届出研究員(兼:帝京平成大学健康メディカル学部心理学科講師)、笠井清登教授(国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構(WPI-IRCN)主任研究者)、同大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻教育心理学講座の宇佐美慧准教授らの研究グループは、関東圏の中学生・高校生21,845人のデータを分析し、向社会性(積極的に他者を助ける行動や考え)の高い学級に所属している高校生は友人への援助希求行動(困ったときに他者に助けを求める行動)をとりやすいことを見出し、高校生の援助希求行動が学級の向社会性と関連することを明らかにしました。これまで、思春期の向社会性が援助希求行動と関連するという報告では、それが個人ごとの向社会性にもとづくものか、学級など所属集団の向社会性の影響を受けたものかの検討は行われていませんでした。そこで本研究では、向社会性を学級全体の平均と、各生徒の学級平均からの差(偏差スコア)に分けて検討し、学級全体の向社会性と個人ごとの向社会性のいずれもが援助希求行動と関連することを初めて明らかにしました。本研究の知見から、学校現場における他者と助け合う学級の雰囲気作りが、他者に助けを求めやすい環境作りにつながり、虐めや自殺への対策のひとつとなると期待されます。

なお、本研究は米国医学雑誌「JAMA Network Open」(オンライン版:米国中部夏時間5月15日)に掲載されました。

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