医療用モバイルアプリの日本語版客観的評価スケールのユーザー版開発に成功

2022年06月22日患者・一般

-アプリの選択基準となることを期待-

京都大学大学院医学研究科健康増進行動学教室の山本一道 客員研究員、坂田昌嗣 同助教、古川壽亮 同教授らの研究グループは東京大学医学部附属病院呼吸器外科の篠原義和 病院診療医、同院臓器移植医療センターの佐藤雅昭 准教授、同院呼吸器外科の中島淳 教授と、クイーンズランド工科大学との国際共同研究として、医療用アプリの国際的な客観的評価基準である「モバイルアプリ評価スケール(MARS)ユーザー版」の日本語版の開発、およびその信頼性と妥当性を検証しました。

近年激増する医療用アプリの客観的評価は現状では十分に行われておらず、アプリによっては健康に害を与える可能性も指摘されており、トレーニングを受けた評価者による質的評価を行うツール開発が待たれていました。同研究グループは「モバイルアプリ評価スケール(MARS)」の研究者版を既に開発および信頼性と妥当性評価を行いましたが、本研究では疫学・医学・心理学・社会学・システム開発・医学翻訳の専門家らにより科学的手順により「ユーザー版」の日本語版評価スケールを開発し、現在東京大学大学院医学系研究科呼吸器外科学教室が開発中である肺移植術後オンライン管理システムを用いてその信頼性および妥当性を確認しました。これらのツールにより開発者・研究者のみならず、アプリの使用者がアプリを選択する際の客観的な基準となることが期待されます。さまざまな医療アプリの研究、開発におけるアプリのアセスメントおよびユーザーによる医療アプリの選択などに使用され、今後の指針などにも役立つと考えられます。

本成果について、2022年6月13日(現地時刻)に国際学術誌「International Journal of Medical Informatics」に掲載されました。

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