【記者会見】世界初・医師主導治験によって、リツキシマブが全身性強皮症に対する薬事承認を取得

2021年10月11日受診・見舞

東京大学医学部附属病院皮膚科の佐藤伸一教授、吉崎歩講師、江畑慧助教らの研究グループによる研究成果に基づいて、全身性強皮症(以下、強皮症)に対する新たな治療薬が厚生労働省より薬事承認されました。

強皮症は、全身に線維化病変を来す、膠原病に属する自己免疫疾患の一つです。病気の原因は不明ですが、佐藤伸一教授らは長年の研究によってB細胞が病態形成に重要な役割を果たしていることを見いだしていました。そして2017年11月から2019年11月にかけて行われた、多施設共同プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験によって、B細胞を除去する薬剤であるリツキシマブの強皮症に対する有効性が証明されました[Ebata S, Yoshizaki A, Sato S, et al. Lancet Rheum 3:e489-97,2021]。本治験は吉崎歩講師を治験調整医師・責任医師とする医師主導治験として実施されました。この結果をもとに、リツキシマブの製造販売元である全薬工業株式会社より医薬品の規制当局である厚生労働省へ承認申請がなされ、強皮症に対する新たな治療薬として、厚生労働省より2021年9月27日に承認され、保険適用されることとなりました。今回の承認は、公知申請以外で強皮症そのものに対する治療薬が承認を受けた、初めての事例となります。同時にこれは、新たな治療選択肢を難病である強皮症患者さんへ提示出来るようになったことを意味しています。



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