【プレスリリース】統合失調症における脳予測性の障害メカニズムの一端を解明

2020年02月19日研究

統合失調症を脳予測性の障害として説明しようとする研究が近年行われつつあります。脳予測性を反映すると考えられている指標としてミスマッチ陰性電位があり、統合失調症の患者さんではミスマッチ陰性電位が低下していることが知られています。しかし、ミスマッチ陰性電位のメカニズムとして音の繰り返しによる慣れの影響も指摘されており、統合失調症の患者さんではミスマッチ陰性電位の低下が脳予測性の障害を反映するのか、他のメカニズムを反映するのか、結論が出ていませんでした。日本学術振興会の越山太輔海外特別研究員、東京大学医学部附属病院精神神経科の切原賢治助教、笠井清登教授らの研究グループは、ミスマッチ陰性電位を計測する際に、通常用いられるオドボール課題に加えて、メニースタンダード課題を用いることで、統合失調症のミスマッチ陰性電位の低下が、脳予測性に関連する成分の障害に由来することを明らかにしました。この結果は、統合失調症におけるミスマッチ陰性電位の低下が、脳予測性の障害を反映することを示唆しており、今後のモデル動物を用いた治療法の開発に向けた研究への応用が期待されます。本研究は日本医療研究開発機構(AMED)「革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト」などの支援により行われ、日本時間2月19日『Schizophrenia Bulletin』(オンライン版)にて発表されます。


※詳細は添付ファイルをご覧下さい。


ファイルを保存される方は、マウスの右クリックから「対象をファイルに保存」、「名前をつけて保存」などを選択して保存して下さい。