子宮腺筋症のゲノム解析から発症と子宮内膜症併発に関連する遺伝子変異を発見

2019年12月19日患者・一般

~発症機構の解明に期待~

国立研究開発法人国立がん研究センター、国立大学法人東京大学、学校法人順天堂、公益財団法人がん研究会らは共同で、世界に先駆けて子宮腺筋症のゲノム解析と患者さんの臨床情報との統合的解析を行いました。その結果、子宮腺筋症がゲノム異常を伴う多クローン性増殖疾患であることを突き止めると共に、高頻度に子宮内膜症を併発する原因を明らかにしました。

子宮腺筋症は、激しい月経痛を伴い、また不妊の原因にもなり、女性にとって深刻な疾患です。しかし、子宮腺筋症の発症の機構は明らかでなく、しばしば子宮内膜症を併発しますが、その原因も分かっていませんでした。

研究チームはこれらを解明するため、子宮腺筋症と子宮内膜症を併発した患者さんのゲノム解析を行い、またこの結果と患者さんの臨床情報を照合しました。その結果、子宮腺筋症がゲノム異常を伴う多クローン性増殖疾患であることを初めて明らかにすると共に、子宮内膜症を併発する患者さんの約4割で、子宮内膜症の要因でもあるがん関連遺伝子KRAS遺伝子の変異が存在することを確認しました。

本研究成果により、子宮腺筋症が、高頻度に子宮内膜症を併発する機構が明らかになりました。

本研究成果は、英国オンライン科学雑誌「Nature Communications」に、12月19日付で掲載されました。

※詳細は、下記のページをご覧ください。
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