【プレスリリース】思春期における心理的困難さと脳の発達との関連を解明
2023年10月10日研究
東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻精神医学分野医学博士課程の臼井香大学院生(研究当時/現・国立精神・神経医療研究センター リサーチフェロー)、笠井清登教授、東京大学バリアフリー支援室の切原賢治准教授らの研究グループは、思春期を対象としたコホート研究を行い、13歳から16歳における心理的困難さの変化と脳波により測定されるミスマッチ陰性電位の変化が関連することを明らかにしました。
さらに、16歳の時に心理的困難さが高いグループでは13歳から16歳におけるミスマッチ陰性電位が年齢とともに低下する一方、心理的困難さが低いグループでは低下しないことを明らかにしました。
これまでの研究で、思春期における脳の発達と心理的困難さとの関連が報告されていますが、その多くが、精神疾患やそのリスクの高い方を主な対象としていたり、一時点における脳の指標と心理的困難さを調べたりしたものでした。本研究では、思春期一般人口で生じる心理的困難さの変化とミスマッチ陰性電位の発達的な変化が関連することを初めて明らかにしました。 思春期は心の発達に重要な時期であり、今回の結果は、思春期の心の不調のメカニズム解明に役立つ可能性があり、心の健康増進に貢献することが期待されます。
なお、本研究は米国科学誌「Cerebral Cortex」(オンライン版:10月10日)に掲載されました。
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