【プレスリリース】生まれ順が遅い子どもが他者を助けやすい脳神経メカニズムを解明
2021年11月08日研究
東京大学 大学院医学系研究科の笠井清登教授、東京大学 国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構の岡田直大特任准教授、東京都医学総合研究所 社会健康医学研究センターの西田淳志センター長らのグループは、約3,000名の10歳児を対象としたコホート調査から、生まれ順が遅い子どもでは生まれ順が早い子どもと比べて、向社会性が高いことを示しました。また、その一部である約200名を対象とした磁気共鳴画像法(MRI)の研究により、遅い生まれ順と高い向社会性との関連を扁桃体の体積が媒介することや、扁桃体と前頭前野との機能的ネットワークの媒介効果に性差があることを示しました。生まれ順が思春期の脳発達に作用し、さらに社会性の発達に影響を与えることを明らかにした、初めての成果です。思春期は精神の発達に重要な時期であり、向社会性は心のしなやかさ(レジリエンス)と関係していることから、本研究結果は思春期における心の健康増進に貢献する可能性が期待されます。
本研究成果は、2021年11月8日午前10時(英国標準時)に英国科学誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載されました。
本研究は、文部科学省科学研究費補助金や厚生労働科学研究費補助金、日本医療研究開発機構委託研究開発費などの支援を得て実施されました。
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