【プレスリリース】微弱な電流で身体のバランス障害を改善
2014年02月17日研究
人間の耳には、3 つの半円状の管である三半規管(さんはんきかん)と耳の中の平衡砂を収めた耳石器(じせきき)で構成される前庭(ぜんてい)という身体のバランスを保つ器官があります。この前庭の機能が障害されるとめまいやバランス障害を生じます。特に両耳の前庭が障害されると、歩行時などに強いふらつきを感じる、まっすぐ歩けない、物が揺れて見える、などの症状が出現しますが、これらに対する有効な治療はこれまでにありませんでした。
東京大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科 准教授 岩﨑真一、同科教授 山岨(やまそば)達也、同大学院教育学研究科 教授 山本義春らの研究グループは、耳の後ろに貼った電極から、刺激を感じない程の微弱な電流を流すことで、両側前庭障害患者のバランス機能の改善が可能なことを明らかにしました。この刺激は、痛みや不快感などの副作用を伴わず、携帯型の簡便な刺激装置で行えることから、前庭機能障害患者のみならず、高齢者のバランス障害の改善や転倒予防の新たな治療となることが期待されます。
本研究の成果は、米国の神経科学雑誌「Neurology(電子版)」に掲載されました(日本時間2 月15 日)。印刷版は3 月14 日号に掲載されます。
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