他院で報告された研究活動上の特定不正行為と当院が実施している臨床研究との関連・対応について

2021年02月02日重要

臨床研究「非小細胞肺がん手術適応症例に対する周術期hANP(ハンプ)投与の多施設共同ランダム化第Ⅱ相比較試験(JANP study)」は、特定臨床研究・先進医療として平成27年より大阪大学医学部附属病院を代表施設として実施されていました。本臨床研究は、肺がんの外科手術の際に、心臓から分泌されるホルモン(ハンプ)を投与することで、肺がんの再発や転移を抑える効果があるという仮説に基づいて行われました。本臨床研究の計画書に記載されていた参考論文に不正があったことは、該当患者さんにお手紙および外来にてご説明させていただきましたが、この度、ハンプが肺がんの再発や転移を抑える効果を有することを示した別の論文において、国立循環器病研究センターで実施された基礎研究部分にも不正があったことが明らかになりました。本臨床研究の代表施設である大阪大学医学部附属病院では、調査を行った国立循環器病研究センターの調査結果をうけ、科学的根拠の明らかでない仮説に基づいて臨床試験が立案されたと判断し、本臨床研究を中止することを決定いたしました。

この臨床研究は当院を含め、全国から10施設が参加しています。研究全体では335人の患者さんに参加していただき、当院では33人の患者さんに参加していただきました。現在のところ、臨床研究に参加していただいた患者さんの健康に重大な影響はないと考えておりますが、適応外に使用された薬剤の安全性については、注意深く検証する必要があります。JANP study代表施設である大阪大学医学部附属病院を中心として、しっかりとした体制作りを行い、研究中止によって、本研究に参加された皆様が不利益を被ることのないように、誠意をもって対応いたします。

受診者様、ご家族の方には多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます。また、当院をご利用いただいております患者さん、関係の皆様にもご心配をおかけし、重ねてお詫び申し上げます。

東京大学医学部附属病院
病院長 瀬戸泰之
呼吸器外科 教授、科長 中島淳