【プレスリリース】成人発症の脊髄性筋萎縮症に新たな遺伝的病因を発見
2026年09月28日研究
―LRP12 遺伝子のCGG リピート伸長による新たな病型を提示―
東京大学医学部附属病院脳神経内科の成瀬紘也助教、国立精神・神経医療研究センター病院の戸田達史病院長らの研究グループは、成人発症の脊髄性筋萎縮症(SMA)の日本人8家系を解析し、6家系でLRP12遺伝子のCGGリピート伸長を同定しました。
近年、神経難病に対する分子発症機構に基づく治療法の開発が進んでおり、中でも指定難病であるSMA はその最たる例です。SMAは、筋肉を動かす脊髄の神経細胞の障害により、筋力低下や筋萎縮をきたす遺伝性神経疾患です。その多くはSMN1遺伝子を原因とする5qSMAです。核酸医薬、遺伝子治療、低分子薬が実用化され、新生児スクリーニングの導入も進むなど、遺伝学的診断が治療に直結する時代となっています。一方、SMN1遺伝子に病的バリアントを認めないnon-5qSMAは遺伝的に多様で、原因不明例が少なくありません。
今回同定されたLRP12遺伝子のCGGリピート伸長は、従来、主に眼咽頭遠位型ミオパチーの原因として知られていましたが、本研究により成人発症non-5q SMA の原因にもなることが示されました。本成果は、遺伝学的診断の向上や病態解明、将来の治療法開発につながると期待されます。
なお、本研究は、2026年9月23日(米国東部夏時間)に、米国神経学会(AAN)発行の学術誌「Neurology Genetics」に掲載されました。
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