【プレスリリース】胎盤を通過しにくいナノ医薬品の設計原理を解明
2026年09月01日研究
―粒子の大きさを制御し、胎児への薬剤移行を抑えた薬物治療の実現へ―
東京大学医学部附属病院女性診療科・産科の鈴木 研資 助教、同大学大学院工学系研究科のCabral Horacio 教授を中心とする研究グループは、同大学大学院医学系研究科の入山 高行 准教授らとの共同研究により、胎児への薬物曝露を抑えながら妊婦を治療するための、新たなナノ医薬品の設計原理を明らかにしました。
出産後のヒト胎盤を用いるex vivoヒト胎盤灌流モデルにより、PEG(ポリエチレングリコール)を表面に有する高分子ミセルは、粒子径が約30 nm以上になると胎盤を通過しにくく、胎児側へ移行しにくいことを示しました。さらに、この原理に基づき、早産治療薬インドメタシンと白金系抗がん剤を内包する高分子ミセル型の薬剤キャリアを開発しました。ヒト胎盤およびマウスによる検証では、治療効果を保ちながら、胎児への薬剤移行を大幅に低減することが示されました。
本研究は、母体と胎児の間の薬剤分布を制御することで、妊娠中の薬物治療の安全性を高める新たな戦略であり、さまざまな疾患を有する妊婦の治療選択肢拡大につながることが期待されます。
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