診療体制

各臓器の移植部門とセンター所属のコーディネーターが関連部署と連携協力し円滑に運営を行います。生体ドナー・レシピエントやご家族が抱える問題の解決のため支援を行います。

治療方針

各臓器の移植適応検討委員会による移植適応決定、および各部門内で症例ごとに詳細な検討を行います。

各臓器移植の実績（2023年4月現在）

【心移植】

• 脳死心移植
  2023年3月までに197例（小児15例）の心臓移植を行いました（国内最多）。5, 10年生存率93%, 87%と非常に優れた成績です。当院の心臓移植待機登録者は243名と国内最多です。
• 植込型補助人工心臓
  2023年3月までに 重症心不全に対する循環補助として植込型補助人工心臓装着を234人に対して274回行いました（国内2番目）。大多数の患者さんが社会復帰あるいは復学しています。1, 5年生存率94%, 82%と非常に優れた成績です。現在約60名が通院中です。

【肺移植】

2015年4月から肺移植を開始し、2023年4月までに脳死肺移植を123例を実施、1,3, 5年生存率は94.5%, 87.3%, 72.7%と国際的なデータ（5年生存率は約60％）と比べ良好で、国内他施設と比べそん色のない成績となっています。生体肺移植も26例を実施、合計149例の肺移植を実施しており、直近の3年間では国内最多の症例数になっています。 人工肺（ECMO）を装着した患者さんの肺移植をこれまで5件成功させるなど、リスクの高い症例にも積極的に肺移植を試みています。

【肝移植】

• 生体部分肝移植
  現在までに812例を施行しました(累計症例数国内3番目)。近年は症例数が増加しており、2020年以降は年間実施症例数は国内1位です。1, 5, 10年生存率は91%, 85%, 82%と大変良好です。生体ドナー選定においてはドナーの安全を第一に考え、厳密な術前検査を行います。
• 脳死肝移植
  74例の脳死肝移植（内4例は肝腎同時移植）を行い、5年生存率は97％です。
• 自己肝温存同所性部分肝移植、ドミノ肝移植などの実績もあります。

【腎移植】

• 泌尿器科と腎臓内科が協力し合って術前から術後管理まで各々の得意分野を生かして診療します。
• 生体腎移植
  血縁者間または非血縁者間（夫婦など）の腎移植です。血液型不適合腎移植、透析を経ない先行的腎移植も実施しています。内視鏡下手術によりドナーの方の負担軽減に努めています。現在までに78例施行し、5年生存率・生着率はともに100%です。
• 献腎移植
  当院で登録待機中の患者さんは現在82名です。現在までに21例の献腎移植を施行しています。

• 脳死肝移植実施指定施設
• 脳死心移植実施指定施設
• 脳死肺移植実施指定施設
• 脳死心肺同時移植実施指定施設
• 植え込み型補助人工心臓
• 小児用補助人工心臓
• 生体肝移植実施施設
• 生体肺移植実施施設
• 生体腎移植実施施設