東京大学医学部脳神経外科

  1. HOME
  2. 研究紹介
  3. 悪性脳腫瘍に対する新規治療法の研究
  4. 樹状細胞を用いた免疫療法について

研究紹介

樹状細胞を用いた免疫療法について

当科では悪性脳腫瘍の再発した方を対象に「樹状細胞(Dendritic Cell; DCと略されます)を用いた免疫療法」という新しい治療法の試み(臨床試験)を輸血部と共同して行っています。
血液中および組織中に存在する樹状細胞は、異物(細菌、ウィルスなど)を取り込んでその一部(抗原)を細胞表面に提示して免疫担当細胞(リンパ球、特にT細胞)を活性化させるという役割を果たしています。それによりリンパ球は異物を識別し、攻撃することができます。この治療法は樹状細胞を用いて免疫担当細胞に腫瘍組織を認識させ、リンパ球に腫瘍を攻撃排除させようとするものです。
具体的には、ご本人の腫瘍細胞とご本人の樹状細胞が必要です。腫瘍細胞は手術の時に採取したものを無毒化して使います。樹状細胞は血液から単核球という成分を採取します。少数の細胞から体外で1週間かけて大量に増やします。通常一回の採取で8回分の免疫治療が可能です。
治療は、毎週1回樹状細胞を皮内に注射します。皮内に樹状細胞を入れるとリンパ節に入り込み、リンパ球と接触します。また2週間に一度、IL-2を静脈注射します。IL-2は活性化したリンパ球の生存を安定させます。治療は、2ヶ月間で8回行います。
なお、本臨床試験は、東京大学の倫理委員会の審査を受け、研究方法が医学的に適切であり患者さんの人権が守られていることが確認され、承認されたものです

患者の皆さまへ 手術情報の登録について

東大病院

東京大学

東京大学脳神経外科(@utokyoneurosurgery) • Instagram写真と動画 東京大学脳神経外科 - YouTube