東京大学医学部脳神経外科

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脳の病気と治療

顔面けいれん・三叉神経痛の治療

三叉神経痛

三叉神経痛は顔面の耐えがたい痛みの病気です。多くの場合トリガーポイントと呼ばれる特に痛い部分があり、ここには風をあてられるのもいやというほど痛みます。顔の感覚を脳に伝える三叉神経が、血管による圧迫を受けていることによりおこる病気です。この圧迫している血管は最近の画像診断の進歩により、手術前に同定することが可能となりました。

顔面けいれん

顔面けいれんは目の周りや口の周りの筋肉がけいれんを起こす病気です。ひどくなるとほとんど一日中けいれんするようになります。美容の問題ばかりでなく食事に不自由を感じるようにもなります。原因は顔の筋肉を動かす顔面神経が血管による圧迫を受けていることによりおこる病気です。

治療法

どちらの疾患も、根本的な治療は手術により血管を移動させ、圧迫を解除することです。微小血管減圧術と呼ばれます。全身麻酔で耳の後方の皮膚を約5cm切開して、骨に五百円玉程度の穴を開け手術を行います。圧迫血管を神経の根本からはずして、テフロン綿でつり上げます。手術時間は2-3時間程度です。我々は、聴力障害などの合併症を避けるために、電気生理学的なモニタリング法を駆使しています。

術後経過

術後は麻酔を醒ましてハイケアユニット(HCU)に入室します。そこでご家族に手術経過を説明します。術後1-2日はめまいと嘔気がありますが、速やかに消失します。7-10日目に抜糸を行い、早い人ではその翌日に退院可能です。

手術以外の治療法

三叉神経痛に対しては、カルバマゼピンの内服、経皮的三叉神経ブロック、ガンマナイフがあります。顔面けいれんに対しては、ボツリヌス毒素の注射による治療があります。毒素による一過性顔面神経麻痺を起こすことにより治療しますが、効果は半年程度です。

さらに詳しい説明はこちら(MyMed[電子教科書])



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