厚生省透析導入基準
保存的治療では、改善できない慢性腎機能障害、臨床症状、日常生活能の障害を呈し、以下の I ~ III 項目の合計点数が原則として、60点以上になった時に長期透析療法への導入適応とする。
I. 腎機能
- 血清クレアチニン8mg/dl以上 (クレアチニンクリアランス10ml/min未満) → 30点
- 血清クレアチニン5~8mg/dl未満 (クレアチニンクリアランス10~20ml/min未満) → 20点
- 血清クレアチニン3~5mg/dl未満 (クレアチニンクリアランス20~30ml/min未満) → 10点
II. 臨床症状
- 1.体液貯留 (全身性浮腫, 高度の低蛋白血症, 肺水腫)
- 2.体液異常 (管理不能の電解質・酸塩基平衡異常)
- 3.消化器症状 (悪心, 嘔吐, 食思不振, 下痢など)
- 4.循環器症状 (重篤な高血圧, 心不全, 心包炎)
- 5.神経症状 (中枢・末梢神経障害, 精神障害)
- 6.血液異常 (高度の貧血症状, 出血傾向)
- 7.視力障害 (尿毒症性網膜症, 糖尿病性網膜症)
これら1~7小項目のうち3項目以上のものを高度(30点)、2項目を中等度(20点)、1項目を軽度(10点)とする。
III. 日常生活障害度
尿毒症症状のため起床できないものを高度(30点)、日常生活が著しく制限されるものを中等度(20点)、通勤, 通学あるいは家庭内労働が困難となった場合を軽度(10点)とする。ただし、年小者(10歳以下)、高齢者(65歳以上)あるいは高度な全身性血管障害を合併する場合、全身状態が著しく障害された場合などはそれぞれ10点加算すること。