SLE, 悪性関節リウマチ, 抗カルジオリピン抗体症候群などで、薬物治療の補助治療として試みることがあります。抗DNA抗体、免疫複合体、抗カルジオリピン抗体をデキストラン硫酸を担体としたカラム ( セレソーブ )、あるいはフェニルアラニンをリガンドとしたカラム(イムソーバ)を用いることにより除去することができます。また、自己免疫性神経・筋疾患(重症筋無力症、多発性硬化症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、ギランバレー症候群)においては、トリプトファンをリガンドとしたカラム(イムソーバ)でPE、DFPPと同等の有効性が報告されています。
LDLコレステロールは、それ自体動脈硬化因子として作用しますが、酸化ストレス・糖化ストレスにより更に強力な血管障害因子である変性LDLに変化し、動脈硬化の進展に大きく関わることが知られています。
そのため、その治療法として、食事や運動などの生活習慣改善のほか、HMG-CoA還元酵素阻害剤をはじめとして脂質降下剤による薬物療法と、血中LDLを選択的に吸着するLDL吸着療法があります。LDLコレステロールの分子量は、2400kDa以上のapolipoprotein Bを含む血漿大分子であることから格好の標的とされました。LDLは、生体内では、LDL receptorを介して肝臓に取り込まれ代謝されます。
LDL receptorは、陰性荷電をもつアミノ酸が周期的に配列した部位で、LDL中に含まれるapolipoprotein B中の陽性荷電アミノ酸部分と静電気的に結合することが知られています。このような仕組を考慮して、現在LDL吸着材として使用されているのは、多孔質セルロースビーズを担体とした、デキストラン硫酸をリガンドとしたもの (リポソーバー ) です。
1. | 家族性高コレステロール血症 (Familial Hypercholesterolemia : FH) |
2. | 薬剤投与によっても高脂血症 (総コレステロール≧220mg/dl, あるいはLDLコレステロール≧140mg/dl ) が持続している場合 |
3. | 閉塞性動脈硬化症 (arteriosclerosis obliterans : ASO) : Fontaine II度以上 |
4. | 難治性ネフローゼ症候群 (特に巣状糸球体硬化症(focal glomerular sclerosis : FGS)由来) |