このホームページは、東京大学医学部附属病院 血液浄化療法部が中心となって展開している臨床研究に関するお知らせ、およびご参加をお願いする方々に向けたものです。
東京大学医学部附属病院血液浄化療法部では血液透析をはじめとして、持続血液濾過透析、血漿交換、免疫吸着、エンドトキシン吸着、白血球除去療法など多岐にわたる血液浄化療法を行っています。それぞれの治療条件は各学会のガイドラインなどを参考に設定されていますが、血液浄化療法の技術革新のスピードは目覚ましく、常に現状で行っている治療方法の有効性・安全性を評価することが必要です。本研究では通常診療として行われている各種血液浄化療法について、診療情報を収集・集計し、治療条件設定の妥当性・安全性を検証することを目的としています。当院血液浄化療法部にて治療をお受けになった患者さんを対象として診療録からデータを収集し解析を行わせていただきます。(詳細はこちら)
腹膜透析(PD)と週1回の血液透析(HD)との併用療法は主に残存腎機能が低下したPD患者の透析量を補完する目的で本邦で広く施行されていますが、海外ではほとんど行われていません。そのため、この併用療法の予後、効果、合併症についてのデータは国際的にも十分ではありません。三井記念病院、日本赤十字社医療センターと共同で、過去にPDを開始された患者さんの診療データを収集・解析することで、PD+HD併用療法のPD継続率、生存率、合併症などを解明する研究を計画しました。(詳細はこちら)
わが国では日本透析医学会が中心となって、全国の施設の血液浄化法における診療情報を調査し、透析治療の水準を向上させてきました。東大病院血液浄化療法部もこの統計調査に協力し、日本の透析医療の発展に寄与してきました。今後も日本の、そして世界の透析医療の向上のため、日本透析医学会主導での統計調査に参加することにしています。(詳細はこちら)
また重症患者に対して施行される急性血液浄化療法は、持続的血液濾過透析を中心に集中治療領域における必須の治療手段としてその地位を確立してきました。しかし具体的な施行方法や適応疾患、導入のタイミング、有効性などについての明確なエビデンスは少ないです。こうした状況を打開するため、日本急性血液浄化学会が全国調査を実施することになっています。東大病院血液浄化療法部もこの調査に協力いたします。(詳細はこちら)
腎代替療法を必要とする慢性腎臓病(CKD)患者は感染症・心不全・悪性腫瘍を合併することが多く、予後が不良であることが知られています。しかし疾患早期診断のための確立した各種検査方法がなく臨床医の判断に委ねられているの現状です。そこで血液や尿といった生体試料中に、これらの疾患を早期に検出できる物質を探索し、その物質と予後やそのほかの臨床情報との相関を検討する観察研究を計画しました。
2019年末から全世界に広がりをみせている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、医学的にも大きな問題となっています。当院も感染拡大に細心の注意を払いながら、本疾患の診療にあたっていますが、新興感染症であるため腎臓を含めた人体への影響はまだまだ未知の部分が大きいのが現状です。そこで当院では新型コロナウイルス感染症と腎障害に関する国際共同研究に参加をしております。この研究は、アメリカカリフォルニア大学サンディエゴ校医学部が主任研究施設となり、全世界からコロナウイルス感染症のデータを集めて集計する国際共同観察研究です。(詳細はこちら)
以上につきましては、東京大学医学部の倫理委員会による厳重な審議を経て承認を得ておりますが、御不明の点などございましたら、下記へお問い合わせください。