脳神経外科は脳・脊髄・末梢神経疾患を治療対象とする診療科です。脳・神経系統は、意識・感情・記憶・運動・感覚など、人間の根本ともいえる機能をつかさどっており、血管障害、腫瘍、外傷、奇形など、様々な病態の発生により、重大な障害がもたらされます。そのような脳・神経系統に生じた機能障害を、熟練した技能と最先端の医療技術を駆使して治療にあたることが脳神経外科の特徴です。近年、遺伝子・再生医療・脳機能イメージング、メカトロニクスの医療への導入により、将来的に目覚しい進歩・発展が期待されています。分子レベルから技術工学レベルまで、極めて広い臨床・研究分野をもつ診療科です。 東京大学脳神経外科では、多くの関連病院との協力により、時代の流れを先取りした脳神経外科専門医教育プログラムを推進しています。現在の日本脳神経外科学会専門医制度では、卒後6年が経過した段階で、脳神経外科全般にわたる広い知識と経験が問われる専門医試験を受験することが推奨されています。しかしながら、昨今の医療制度改革により、初期臨床研修の必修化が開始されてからは、脳神経外科に専修できる教育期間が短縮化され、短期間で多くの症例を、幅広く経験することが要求されるようになりました。しかも、専門医の取得後に、第一線の脳神経外科医として活躍するためには、卓越した技能を修得し、いかに特色のある脳神経外科医として成長していくかということが重要になってきています。東京大学脳神経外科では、このような変化に適確に対応し、脳神経外科全般にわたる知識と技能の取得から、特殊性の高い専門分野強化にわたり、一貫した教育プログラムのもとに後期臨床研修を行っています。当科では、現在まで、全国の医療機関で活躍する、優れた脳神経外科専門医を多く輩出してきました。将来においても、脳脊髄疾患の外科治療を担う中心的存在として全国で嘱望される脳神経外科医を育成していきます。 後期研修(専門研修プログラム)申し込み要綱
|
||||||||||||||||||