当院にて強皮症の皮膚生検を受けた方へ of 東大皮膚科ホームページ

強皮症患者試料を用いた一塩基多型に関する解析に対するご協力のお願い


                                 実施責任者  佐藤伸一
                              (皮膚科・皮膚光線レーザー科)

1 研究目的
全身性強皮症(以下単に強皮症と略します)は、皮膚および内臓諸臓器の線維化と血管障害を特徴とする全身性の自己免疫疾患(膠原病)ですが、今なおその原因は明らかではありません。強皮症は多数の遺伝子と複数の環境因子が合わさって起こる病気と考えられており、その中でもいくつかの遺伝子の変異が強皮症の発症に関与している可能性が示されています。その遺伝子変異の中の一つとしてDNA配列の一部に変異がある一塩基多型というものがあります。この研究は、以前手術で採らせて頂いた皮膚組織を利用し、主にこれまでの研究で明らかになっている遺伝子の変異,特に一塩基多型について調べさせていただくことが目的です。この研究によって強皮症の発症に関連する遺伝子変異がどのような役割を果たしているか明らかになれば、病気の予防、早期診断、新しい治療法の開発につながる可能性があります。強皮症の患者さんの皮膚組織を用いて検討することを目的としています。

2 研究方法・研究協力事項
この研究には全身性強皮症の患者さんの皮膚組織が必要です。過去に同意が得られている患者さんを対象として、診断のために皮膚生検を行った際に、皮膚組織を保管させて頂いておりますが、その保管されている検体を今回の研究に使用させて頂きます。皮膚組織および培養皮膚線維芽細胞から抽出したゲノムDNAを用いて、PCR法による一塩基多型の検出・検討を行います。

3 研究協力者にもたらされる利益および不利益
保管検体を用いるため、あなたへの身体的・精神的危険はありません。
なお、この研究結果が直接あなたに有益な情報をもたらす可能性はありませんが、研究が進み全身性強皮症の病態が解明され新たな治療が開発されれば、あなたを含めた膠原病の患者さんが恩恵を受けられる可能性があります。

4 個人情報の保護
あなたの検体と診療情報は、同意をいただいた時点で匿名化して厳重に保管しています。また、あなたと符号を結びつける対応表は東京大学医学部附属病院において厳重に保管しています。

5 研究計画書等の開示
研究の結果は、あなたには開示されませんのでご了承ください。

6 協力者への結果の開示
開示希望のある協力者には、結果の解析が終了した時点で結果を開示する予定です。

7 研究成果の公表
あなたの協力によって得られた研究の成果は、匿名化して学会発表/学術雑誌/データベース上で公表します。

8 研究から生じる知的財産権の帰属
この研究の結果により特許権等の知的財産が生み出されても、その権利はあなたには帰属しません。

9 費用負担に関する事項
この研究に関して、あなたに費用を負担いただくことは一切ありません。またあなたに対し謝礼や交通費の支給は行いません。

10 本研究への協力を希望されない場合
本研究では過去に同意が得られている患者さんの保管されている検体(皮膚組織と培養皮膚線維芽細胞)を使用しますが、この同意はいつもで撤回できます。本研究への協力を希望されない場合は、下記の問い合わせ先まで連絡して下さい。同意撤回の意思が確認できた場合は、直ちに本研究の実施対象外とします。

11 問い合わせ先
〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学医学部附属病院皮膚科  試験責任医師;佐藤伸一
分担担当医師;浅野善英
電話:東京大学医学部附属病院:代表 03-3815-5411
   東京大学医学部附属病院皮膚科医局:直通 03-5800-8661