
東大泌尿器科ホームページにようこそお越しくださいました。
まずは、泌尿器科学の医学としての魅力についてお話させていただきます。泌尿器科学を端的に言えば、それは尿路と男性生殖器に関する医学です。腎臓・膀胱・尿道・前立腺・精巣のほとんどの病気、特に手術を必要とする病気を扱う医学です。解剖学的な関係から、副腎腫瘍や後腹膜腫瘍も治療対象としています。治療手段も外科的手術に限らず、内科的な手法も駆使しています。臓器の数だけではなく疾患や治療方法の多彩さという点から多様な医学的なアプローチが可能で、臨床的にも研究的にも興味の尽きない分野です。
診療科としても泌尿器科は魅力ある科です。泌尿器科ではもちろん外科的な技術が要求され、その修練は一生続きます。その一方、排尿や男性性機能の障害の多くは内科的な診療で治療がなされます。つまり、大病院であっても単独の開業医であっても、その専門性を十分に発揮して病院や地域医療で活躍する場があるのです。また、現役の泌尿器科の専門医は全国で6000名くらいしかおりません。この先は人口の高齢化がさらに進むことが確実で、泌尿器科医がいっそう必要とされる時代が来ているのです。
泌尿器科は誤解されている部分もあります。その最たるものは、泌尿器科は皮膚科の一分野というもので、この誤解は医療者の中でも後を絶ちません。わが国に泌尿器科学を紹介したのが当時の皮膚科学の教授でしたので、歴史的には皮膚科学の教室から泌尿器科学が分かれた形になっています。しかし、学問や診療の内容はまったく異なるもので、このような誤解は海外にはありません。また泌尿器科では男性の患者を主に診ているという誤解もあり、そのため女性医師が専門としにくい側面もあったと思われます。しかし、泌尿器科の患者さんの3人に1 人は女性です。また、女性患者さんが女性医師の診察を希望したり、女性の感性が泌尿器科学の発展に寄与したりと、泌尿器科の診療・研究で女性医師に期待されるところが益々大きくなってきています。
最後に、東大泌尿器科について一言。周知の通り、東京大学は明治以降わが国の近代化の先駆けとなってきました。医学、そして泌尿器科学においても、それは例外ではありません。東京大学には1926年にわが国でいち早く泌尿器科学の講座が開かれ、戦争による混乱の時代があったものの、戦後すぐの1946年には泌尿器科学教室が設けられました(詳しくは教室の歴史をお読みください)。東京大学が大学院大学に組織替えされるに伴い、泌尿器科学は泌尿器外科学へと名称変更されて、現在に至っております。歴史の厚みは人材や関連病院の厚みに反映され、泌尿器科学全般の分野について、あまねく高いレベルの診療・研究・教育を誇っております。
以上、泌尿器科学と東大泌尿器科を紹介し、ご挨拶とさせていただきます。
東京大学医学部泌尿器科学教室
教授 本間 之夫
略歴
| 昭和53年 | 東京大学医学部医学科卒業 |
| 都立駒込病院/自衛隊中央病院/三井記念病院/東京逓信病院 泌尿器科勤務 | |
| 昭和58年 | 米国ノースウエスタン大学医学部病理学研究員(〜昭和60年) |
| 昭和63年 | 東京大学医学部泌尿器科講師 |
| 平成12年 | 東京大学医学部泌尿器科助教授 |
| 平成15年 | 日本赤十字社医療センター泌尿器科部長 |
| 平成20年 | 東京大学大学院医学系研究科泌尿器外科学教授 |
主な学会役職
日本泌尿器科学会理事長
日本老年泌尿器科学会理事長
日本間質性膀胱炎研究会代表幹事
日本排尿機能学会理事
日本臨床泌尿器科医会理事
主な著書
高齢者排尿障害マニュアル(メディカルレビュー社)
間質性膀胱炎-疫学から治療まで(医学図書出版)
「排泄学」ことはじめ(医学書院)
尿失禁:ウロダイナミックスの役割と実際(医歯薬出版)
尿の悩みを解決する本(法研)
トイレが近い人の読む本(メディカルレビュー社)
すべてわかる!!前立腺がん・肥大症(毎日新聞社)
過活動膀胱診療ガイドライン(ブラックウェル)
間質性膀胱炎診療ガイドライン(ブラックウェル)
排尿・排便のトラブルQ&A-排泄学の基本と応用(日本医事新報社)

