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小児科

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T.プログラムの名称

小児科卒後臨床研修プログラム


U.プログラムの目的と特徴

小児科は2年間の臨床研修期間のうち最低1ヶ月を必修科目とする。
選択科目としてはさらに、1〜8ヶ月の研修が可能である。
本院小児科病棟において、小児医療に必要な基礎知識・基本的態度を限られた研修期間 の中で可能な限り修得する。


U-1.小児の特性を学ぶ

成長・発達の過程にある小児と接することにより、乳幼児期の運動・精神発達を体験する。また、病児の訴えを理解し、感じ、さらに適切に理学所見をとることを学ぶ。
小児科では、新生児、乳児、幼児、小学生、中学生、思春期というように、幅広い年齢層を対象とするため、それぞれ診察時の対応が異なる。多くの場合、保護者(主として母親)から子どもの状態や病歴を聴取しなくてはならない。従って、母親との医療面接では母親の不安を理解し、母親から信頼される人間関係を構築することを学ぶ。

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U-2.小児疾患の特性を学ぶ

小児疾患では、発達段階によって症状・重症度・病気の種類が異なり、同じ症候でも鑑別する疾患と頻度が年齢により異なる。
小児特有の疾患、染色体異常症、種々の先天性異常症(代謝異常症、免疫不全症等)、各発達段階に特有な疾患を可能な範囲で学習する。
また、頻度の高い感染症においては熱型や発疹の特徴から病原体の推定を行い、迅速診断法を含めた同定、管理の方法、治療法について学ぶ。

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V.教育課程

V-1.研修医配置

必修期間(1ヶ月)においては、研修医8−10名程度が一般小児病棟(血液・神経・総合)、NICU、PICUのいずれかの診療グループに配属される。
選択科目としてさらに、1〜8ヶ月を選択した場合には、複数の診療グループでの研修を希望に応じて行う。

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V‐2.研修内容と到達目標


経験すべき診察法・手技・検査

(1)医療面接・指導
[到達目標]
  • 小児、乳幼児に不安を与えず、コミュニケーションが取れるようになる。
  • 病児に痛いところ、気分の悪いところを示してもらうことができる。
  • 保護者(母親)から診断に必要な情報、子どもの状態が普段とどう違うか、違う点 は何か等について的確に聴取することができる。
  • 保護者(母親)から発病の状況、心配となる症状、病児の発育歴、既往歴、予防接 種歴等を要領よく聴取できるようになる。
(2)理学所見
子どもをあやしたり、嫌がらない診察を優先的に行う等の小児の診察態度・技能を身に付ける。
[到達目標]
  • 頭頸部所見(眼瞼・結膜、学童以上の眼底所見、外耳道・鼓膜、鼻腔口腔、咽頭・口腔粘膜、特に乳幼児の咽頭の視診)
  • 胸部所見(呼吸音の性状、呼気・吸気の雑音、打診、心音・心雑音とリズムの聴診)
  • 腹部所見(実質臓器及び管腔臓器の聴診と触診、打診)
  • 神経学的所見、四肢(筋、関節)
  • 皮膚所見
以上について適切に理学所見をとることができる。
(3)基本的手技、臨床検査
小児では採血や静脈ラインの確保等の基本的な手技が難しく、肘静脈、手背静脈、足踵等、さまざまな部位からの採血や静脈ラインの確保法を可能なかぎり研修する。
また、小児での採血量は限られており、患児にとって優先すべき検査項目の選択方法について学ぶ。
[到達目標]
  • 単独または指導者の下で乳幼児を含む小児の採血、皮下注射
  • 指導者の下で小児の静脈注射
  • 点滴静注
  • 指導者の下での輸液、輸血
  • パルスオキシメーターの装着
  • 一般尿検査(尿沈査顕微鏡検査を含む)
  • 血液型判定
  • 交差適合試験の実施
  • 血清免疫学的検査(炎症マーカー、ウイルス、細菌血清学的診断、ゲノム診断)の評価
  • 細菌培養
  • 感受性試験(臨床所見から起因菌を推定し培養結果に対応させる)の評価
  • 髄液検査(計算板による髄液細胞の算定を含む)及びその評価
  • 単純X線検査読影
  • CT・MRI検査(適切な鎮静法を含む)
(4)薬物の処方、輸液の基本
小児の薬用量、輸液量は患児の体重によって大きく異なる。小児薬用量の実際と考え方、補液量の計算方法について学ぶ。
[到達目標]
  • 小児の体重別、体表面積別の薬用量を理解し、基本的薬剤の処方箋・指示書の作成ができる。
  • 剤型の種類と使用法の理解ができ、処方箋、指示書の作成ができる。
  • 乳幼児に対する薬剤の服用法、剤型毎の使用法について、看護師に指示し、保護者(母親)に説明できる。
  • 病児の年齢、疾患等に応じて輸液の適応を確定でき、輸液の種類、必要量を決めることができる。
(5)予防接種
予防接種は小児保健の最も基本的な項目の1つであり、予防接種の種類、副作用、接種法の原則について学習する。
(6)乳幼児健診
人間の正常な発達を学ぶことは小児の病態を理解する上で基本であり、乳幼児健診を通じて母親の不安を取り去り、子育てを支援することは極めて重要な育児支援サービスである。主に1ヶ月健診を体験することにより、小児の発達及び母親との関係について経験する。
(7)救急医療
小児救急医療の現場において、軽微な所見から重症疾患を見逃さないポイントについて学ぶ。また、母親の心配・不安はどこにあるかを推察し、心配・不安を解消する方法を考える体験する。
研修期間中に、小児救急医療が行われている機関・部署に参画し、小児救急疾患の種類、病児の診察方法、病態の把握、対処法を学ぶ。
[到達目標]
  • 脱水症の程度を判断でき、応急処置ができる。:A
  • 喘息発作の重症度を判断でき、中等度以下の病児の応急処置ができる。:A
  • けいれんの鑑別ができ、けいれん状態の応急処置ができる。:A
  • 腸重積症を正しく診断して適切な対応がとれる。:B
  • 虫垂炎の診断と外科へのコンサルテーションができる。:B
  • 酸素療法ができる:A
  • 気道確保、人工呼吸、胸骨圧迫式心マッサージ、静脈確保、骨髄針留置、動脈ラインの確保等の
    蘇生術が行える:C
(A:是非経験すべき疾患、B:経験することが望ましい疾患、C:機会があれば経験する疾患)
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V‐3.教育に関する行事

(1)週間スケジュール
月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
8:00〜8:30 MC 抄読会 MC
8:30〜12:00 病棟 病棟 病棟 病棟 病棟 当直体制
12:00〜13:00      
13:00〜17:00 病棟 Chart Round 病棟 病棟 病棟
15:00〜16:00 クルズス クルズス クルズス クルズス クルズス
17:00〜 当直体制 当直体制 当直体制 CC 当直体制
*当直は、指導医と共に行い、主に小児救急医療について研修する。
(2)定期的カンファランス
Chart Round :病棟内全患者についてのカンファ
CC :小児科クリニカルカンファランス
MC :モーニングファンファランス(新患、重症患者)
抄読会 :Pediatrics, J of Pediatrics抄読会
(3)研修医に対する集中講義(クルズス)
クルズスを集中的に行う。(15時〜16時)
(1) 基本的な薬の使い方
(2) 胸部聴診と喘鳴
(3) 予防接種
(4) 喘息、アナフィラキシー
(5) 小児の血液検査と白血病
(6) けいれん
(7) 脳波、CT、MRI
(8) 小児の外科疾患
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V‐4.指導体制

病棟ではそれぞれの診療グループの中で、指導医(講師、助教、専門研修医)の下、10名前後の患者を受け持つ。 研修医は常にチームの一員として行動を共にし、患者の治療方針の決定に参加する。

小児科卒後臨床研修選択コース(1〜8ヶ月)について

小児疾患は極めて多様であり、1ヶ月の必修研修期間で学べることは限られる。1〜8ヶ月 の選択コースでは、小児科一般病棟、NICU、PICU実習を通じて、幅広く理解を深めること を主眼とする。将来的に小児医療を専門と考えている方には、選択コースによる研修を進めている。

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