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プレス発表

【プレスリリース】 慢性胆管障害が胆管癌発症を促進するメカニズムを解明

  2017年04月25日

胆管癌発症の危険因子として、原発性硬化性胆管炎や肝吸虫症などの慢性胆管障害・炎症の存在が以前から知られていましたが、そのメカニズムはよくわかっていませんでした。特に肝臓の外の胆管にできる肝外胆管癌においては、適切な動物モデルが存在しないことが、病態解明を遅らせる大きな要因となっていました。今回、東京大学医学部附属病院消化器内科の中川勇人助教、小池和彦教授らは、遺伝子改変技術によってヒトの病態を模倣した新しい肝外胆管癌マウスモデルさらにはオルガノイドモデルを樹立し、その発癌機序を解明するとともに、治療標的の候補となる分子を同定しました。

このモデルでは障害をうけた胆管上皮細胞がIL-33という分子を放出し、胆管上皮の幹細胞が存在すると考えられている胆管周囲付属腺という組織を増殖させることで胆管再生を誘導していました。しかしながら遺伝子の異常によりこの反応が持続して胆管付属腺の増殖を抑制できなくなると、結果としてそこからの発癌を促進していることがわかりました。IL-33の中和抗体を投与することによって発癌が抑制されたことから、IL-33が治療標的の一つとなる可能性が示唆されました。本マウスモデルは胆管の慢性炎症からの癌化過程を模倣した世界初の画期的なモデルであり、機序解明・治療標的探索のツールとして今後大いなる発展が期待されます。なお、本研究成果は4月24日の週(米国東部夏時間)に米国科学アカデミー紀要にて発表されます。

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