研究参加について
 当科で診療を受けられる患者さんへ

■「形成外科・美容外科診療記録を利用したデータベースの包括的後ろ向き研究」 へのご協力のお願い

 東京大学医学部附属病院形成外科・美容外科では、癌術後の変形をはじめ、顔面神経麻痺、リンパ浮腫、先天異常、顔面外傷、手足の外傷など多岐にわたる疾患の治療を行っており、手術治療成績の向上、術後合併症の予防などを目指して診療を行っています。また、短期的な成績のみならず、長期的な視点での機能的・整容的再建の獲得を目標にしております。治療に当たってはわが国、あるいは諸外国における様々な臨床試験の結果に基づいておりますが、未だ解決されていない問題も多いのが現状です。

 このような問題を解決するためには、前向き研究(研究目的が決定した後に患者さんをいくつかの群に振り分けさせていただき、その経過を追わせていただく研究)が重要ですが、その基盤として後ろ向き研究(過去の診療記録・データを解析して、治療成績や患者さんの自然経過を見させていただく研究)も非常に重要です。

 それゆえ、当科では、東京大学医学部附属病院形成外科・美容外科を受診された患者さんの過去の診療記録・データを解析することがあります。対象となる診療記録は、カルテ記載内容(既往歴、家族歴、現病歴、生活歴、身体所見、症状、治療履歴)、投与薬剤、最終受診日、転帰、手術記録、麻酔記録(手術時間、出血量、輸液量、使用薬剤)血液検査(血算、生化学、血糖関連、凝固、血液ガス、内分泌関連)、尿・便検査、生理学検査(心電図、肺機能検査、超音波検査)、画像検査(単純X線、ICG検査、CT、MRI、PET、血管造影、核医学検査)、内視鏡検査、病理組織検査、免疫組織検査、細菌学的検査、他科での診察情報、他科での手術情報と、過去に行われた日常診療に基づくものです。

 この研究は過去の診療記録を用いて行われますので、該当する方の現在、未来の診療内容には全く影響を与えませんし、不利益を受けることもありません。解析にあたっては、個人情報は匿名化させていただき、その保護には十分に配慮いたします。学会や論文などによる結果発表に際しては、個人の特定が可能な情報はすべて削除されます。

 この研究に関してご不明な点がある場合、あるいはデータの使用に同意されない場合には、以下にご連絡いただけたらと存じます。尚、本研究は、医学部倫理委員会の承認を得ております。また、この研究への参加をお断りになった場合にも、将来的に当科における診療、治療において不利益を被ることはありませんので、ご安心ください。

 どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 研究責任者・教室責任者 東京大学医学部附属病院 形成外科・美容外科 岡崎睦
       連絡担当者 東京大学医学部附属病院 形成外科・美容外科 富岡容子
 〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1  電話:03-3815-5411(内線34749) 形成外科・美容外科


■これから顔面神経麻痺に対する治療を受けられる患者さんへ ―研究協力のお願い―

 当院では「顔面神経麻痺に関する病態解明および新しい治療法の開発のための前向き・後ろ向き研究」を実施しております。本研究は顔面神経麻痺治療に関連したデータを調査することにより、顔面神経麻痺の治療法の改善と新しい治療法を開発する目的で行います。当院においてこれまで顔面神経麻痺に対する治療を行われた患者さんとこれから治療を行われる患者さん全てを対象とします。研究目的・研究内容は下記のとおりです。  直接患者さんから同意は頂きませんが、この掲示などによるお知らせを行い研究への参加を希望しない意思表示をされた方以外の方を対象に、本研究を実施いたします。患者さんにおかれましては本研究の主旨を御理解いただき、本研究への御協力を賜りますようお願い申し上げます。直接同意書にご署名をいただいた方以外の方の場合には、研究成果の公表を行う際に個人が特定可能な情報(修正されない顔写真やビデオ動画など)を使用することは一切ありません。個人が特定される可能性のある情報を公表する場合には別途そのことを直接説明し患者さんから同意をいただいたうえで行います。
本研究への参加を希望されない場合は下記の問い合わせ先へ御連絡ください。参加いただけない場合でも、当院での治療に不利益になるようなことは全くありません。その他、質問事項などもございましたら下記へお問い合わせください。

1) 研究の概要
 顔面神経麻痺はウィルス、腫瘍、外傷、術後など様々な原因で生じます。その程度に応じて完全麻痺・不全麻痺に大別されますが、実際には患者さん毎に原因や症状は大きく違い治療方法も様々です。手術の方法も数多くありますし、手術以外にも不全麻痺症例では異常共同運動に対してボツリヌス毒素によるボトックス®注射も行われます。治療の評価方法も複数存在します。顔面神経麻痺に対する治療法はいまだ一定せず、その詳細な病態の解明や治療方法の結果に対する正確な評価が十分に行われていないのが現状です。 当院は顔面神経麻痺に対する治療を数多く実施する数少ない施設のうちのひとつであり、治療法の質と安全性を向上させるために、現時点での問題点を調査し詳細な病態の解明と治療の標準化、新しい治療法の開発に向けた検討を行います。

研究期間:医学部倫理審査委員会承認後~2023年3月31日
承認番号:第 12306 番

2) 研究の目的
患者さんの生活背景、既往歴や病因、治療法とそれに対する評価結果の関係などを調査し、現時点での問題点を明らかにします。それらのデータをもとに、現在行われている顔面神経麻痺治療の検討を行い、治療法の妥当性の検討、新しい治療法の開発を行います。

3) 研究の方法
 2017年10月1日以降に当院において顔面神経麻痺に対する治療を受けられた患者さん、そしてこれから治療を受けられる患者さんを対象とします。診療録からデータを抽出し、年齢、性別、原因、術前合併症、検査所見、治療内容と臨床経過、術式、手術時間など手術関連事項、治療後の合併症、機能評価結果、観察期間などについて情報収集を行います。また、治療前後に撮影した臨床写真・ビデオ動画から整容性・機能の検討などを行います。検討結果を公表する際には個人情報保護について以下に述べるような配慮をいたします。
本研究は大学の運営費を用いて行われます。また研究を実施するにあたり特定企業との利害関係はありません。本研究の実施にあたっては、医学部臨床研究利益相反委員会に申告を行い、承認されています。

4) 予想される結果(利益・不利益)について
<利益>この研究を行うことによって、現時点での顔面神経麻痺治療の問題点、改善点が明らかになると期待されます。これにより、治療法の改善がはかられ、治療の安全性が向上すると考えられます。またこうして研究データを積み重ねることによって治療方法の指標ができ、将来的に安全で確実な治療方法を確立することが可能となります。
<不利益>特にありませんが、個人情報の漏洩がないよう最大限の配慮をいたします。

5) 個人情報保護について
 研究の際には匿名化を行い、直接個人を同定できるような情報は使用いたしません。
学会発表や学術論文として臨床写真・ビデオ動画を使用する際には病気の特性上、顔を提示することがあります。このような場合には別途そのことを説明し患者さんから同意をいただいたうえで行います。同意がない場合には顔の提示は行いません。

6) 研究成果の公表について
 研究結果は、国内外の学会発表および学術論文として公表する予定です。発表や論文に使用したデータは発表後10年間は当院で保管します。

7) 費用について
 本研究への参加謝礼はありません。

8) 問い合わせ等の連絡先

 東京大学医学部附属病院 形成外科 
 研究担当者 助教 富岡容子 今井和也
 研究責任者 教授 岡崎睦
 〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
 電話03-58000-5411 平日8:00~17:00

■一般社団法人National Clinical Database(NCD)の手術・治療情報データベース事業への参加について

 →こちらのリンクをご参照下さい。