呼吸器外科


呼吸器外科は肺癌、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸膜・胸壁腫瘍などの胸部腫瘍疾患の手術治療を行っています。気胸、その他手術治療が必要な良性胸部疾患に対しても手術治療を行っています。胸腔鏡手術を積極的に行い、術後早期の機能回復に努めています。以下の疾患については、当科では多数の方を治療しています。

(1) 原発性肺癌に対する外科治療を中心とした集学的治療 および胸腔鏡下低侵襲手術
(2) 転移性肺腫瘍に対する外科治療を中心とした集学的治療 および胸腔鏡下低侵襲手術
(3) 縦隔腫瘍、胸腺疾患に対する手術療法
(4) 自然気胸・その他の良性疾患や高齢者・低肺機能者に対する胸腔鏡手術
(5) 重症筋無力症に対する拡大胸腺全摘術

お知らせ
さらに詳しい情報を知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。
東大病院 外科のホームページはこちらをクリックしてください。
東大病院 呼吸器外科のホームページはこちらをクリックしてください。                         
呼吸器外科 科長 中島 淳

呼吸器外科 科長 中島 淳
概要

■診療体制
科長(准教授) 中島 淳 (昭和57年卒)
日本胸部外科学会指導医、日本呼吸器外科学会指導医、 呼吸器外科専門医、
日本呼吸器学会専門医、外科専門医

スタッフ(特任講師(病院)) 村川 知弘 (平成4年卒)
日本胸部外科学会指導医、日本外科学会指導医、呼吸器外科専門医、外科専門医

スタッフ(助教) 深見 武史 (平成7年卒)
呼吸器外科専門医、外科専門医

スタッフ(医員) 吉田 幸弘 (平成10年卒)
  日本外科学会認定医

スタッフ(助教) 佐野 厚 (平成12年卒)
外科専門医、気管支鏡専門医

スタッフ(医員) 此枝 千尋(平成17年卒)

■治療方針
(1) 非小細胞肺癌に対する治療:肺葉切除・標準リンパ節郭清が原則ですが、術前肺門・縦隔リンパ節転移陽性診断例に対しては集学的治療ならびに拡大手術を考慮いたします。高齢者・有合併症例に対しては胸腔鏡下肺葉切除(VATS-lobectomy)を行います。胸壁・大血管浸潤例に対しては心臓血管外科と協力し、拡大切除を行います。
(2) 術前未診断肺内腫瘤(肺癌疑診)に対しては、胸腔鏡下肺生検を行い、迅速病理診断の結果から肺癌であれば続けて肺癌に対する治癒手術を行います。このような早期の肺癌に対する手術の術後成績は非常に良好です。
(3) 胸腔鏡手術:自然気胸など良性疾患に対しては極力低侵襲である胸腔鏡手術による治療を行います。
(4) 転移性肺腫瘍:原発巣が治癒している事を条件として、肺転移に対して外科治療を行います。胸腔鏡による低侵襲手術を優先して行います。肝臓転移合併例に対しては当院肝胆膵外科との協力の下に、肝臓・肺転移の両方を外科的切除します。
■得意分野
(1) 原発性肺癌に対する拡大切除・郭清

(2) 原発性肺癌に対する胸腔鏡下診断および胸腔鏡下肺葉切除

(3) 転移性肺腫瘍に対する外科治療

(4) 胸腺腫・重症筋無力症に対する拡大胸腺全摘術
■その他
東大病院で非小細胞肺癌の治療を受けられた方に対するがんワクチン療法の臨床試験を行っています。

東大病院で大腸癌肺転移に対する外科切除をうけられた方に対する活性化自己リンパ球免疫療法の臨床試験を行なっています。

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対象疾患

原発性肺癌

転移性肺腫瘍

診断がはっきりしない肺内異常陰影

縦隔腫瘍、重症筋無力症

胸膜中皮腫、胸壁腫瘍

自然気胸、巨大肺嚢胞症

肺気腫

手掌多汗症

漏斗胸、胸壁腫瘍

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外来担当一覧(曜日別・専門別)


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高度先進・特殊医療

■胸腔鏡下手術
肺・縦隔疾患に対する手術治療をテレビモニター観察下に内視鏡的に行う方法です。通常の開胸手術と比較すると低侵襲性である点が優れています。肺癌に対する肺葉切除・リンパ節郭清も本方式で可能です。
■循環器疾患を合併する呼吸器疾患に対する呼吸器・心臓同時手術
手術治療を要する悪性肺・縦隔疾患患者に虚血性心疾患などの循環器疾患を合併した場合に、心臓手術と呼吸器手術を一期的に施行します。
■胸腔鏡下交感神経切除術
手掌多汗症に対して胸腔鏡下に胸部交感神経を切除するもので、少ない侵襲、短い入院期間によって本症に即効的な効果をもたらします。
■肺気腫に対する容量減少手術
肺気腫によって過膨張した肺容積を適度な肺切除を行うことによって、肺残気量を減少させ、横隔膜運動を適正化させ、呼吸機能を向上させます。
■小型肺腫瘍CTガイド下マーキング
悪性腫瘍が疑われる肺内小異常陰影に対して、胸腔鏡下肺生検を行う直前にCTガイド下に経皮的に腫瘍部にマーカーを刺入する方法であり、肺癌の早期診断・治療に有効です。
■切除不能肺癌・再発肺癌に対する免疫療法
東大病院で非小細胞肺癌の治療を受けられた方に対するがんワクチン療法の臨床試験を行っています。
東大病院で大腸癌肺転移に対する外科切除をうけられた方に対する活性化自己リンパ球免疫療法の臨床試験を行なっています。

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診療実績

■診療科で扱った主疾患と入院・外来別患者数(平成20年)
  疾患名 入院患者数 外来患者数(※)
原発性肺癌 211人 約1,000人
転移性肺腫瘍 58人 約300人
良性肺腫瘍 2人  
炎症性肺疾患 12人  
縦隔腫瘍 54人 約200人
胸膜・胸壁腫瘍 5人  
自然気胸 65人 約100人
重症筋無力症(胸腺全摘術) 5人  
先天性疾患、その他疾患 16人  
(※)再来患者を含めた述べ人数
■現在、診療科で重点的に診療を行っている疾患、治療方法、検査方法
  • 疾患
    1. 原発性肺癌
    2. 転移性肺腫瘍
    3. 縦隔腫瘍、胸腺疾患、重症筋無力症
    4. 胸壁・胸膜腫瘍
    5. 気胸 (特発性および続発性)
    6. 漏斗胸・手掌多汗症

  • 治療方法
    1. 肺癌・転移性肺腫瘍に対する胸腔鏡下低侵襲手術
    2. 進行性肺癌に対する拡大手術
    3. 進行性肺癌・再発肺癌に対する、分子標的治療薬および免疫療法を組み合わせた治療
    4. 縱隔腫瘍に対する、EBMに基づいた治療法
    5. 胸腔鏡による漏斗胸・手掌多汗症などの低侵襲手術
    6. 心疾患など合併症を有するハイリスク患者に対する呼吸器外科手術

  • 検査方法
    1. 肺癌・転移性肺腫瘍に対するCT、FDG-PETを組み合わせた画像検査
    2. 悪性腫瘍が疑われる肺内小腫瘤に対する胸腔鏡診断と同時手術による早期治療
    3. びまん性肺疾患に対する胸腔鏡下肺生検法
■診療科で行った主な手術や処置の件数(平成20年)
  手術・処置の名称 件数
肺悪性腫瘍に対する手術
      うち 原発性肺癌
      うち 転移性肺腫瘍
161件
116件
45件
縦隔腫瘍切除 29件
重症筋無力症に対する胸腺全摘 4件
胸膜腫瘍・胸壁腫瘍切除 5件
自然気胸に対する手術(全例胸腔鏡) 48件
胸腔鏡下肺切除術 総数(※) 165件
(※)上記と重複あり
■診療科で行った主な検査、特殊な検査の件数(平成20年)
  手術・処置の名称 件数
気管支鏡検査 約10件
胸腔鏡下肺生検 約2件
■月別入院・外来患者数の年間動向(平成20年度)
  入院 外来
4月 305(30)人 383(8)人
5月 419(33)人 339(4)人
6月 429(43)人 409(13)人
7月 479(44)人 440(5)人
8月 446(25)人 239(4)人
9月 423(27)人 386(14)人
10月 294(31)人 439(11)人
11月 291(26)人 312(6)人
12月 300(27)人 366(11)人
1月 385(32)人 337(8)人
2月 334(31)人 332(7)人
3月 391(28)人 364(10)人
20年度計 4,496(377)人 4,346(101)
延べ患者数を示す。( )内は新入院患者数あるいは新外来患者数を示す。
他科が主科である場合を除く。
■学会の指導医数、認定医数(平成21年4月1日現在)
  学会・資格 指導医数 専門医数
日本外科学会 1人 4人
日本胸部外科学会 2人  
日本呼吸器外科学会 1人  
日本呼吸器学会   1人
呼吸器外科専門医   3人
気管支鏡専門医   1人
■5年生存率(平成17年度)
  原発性肺癌 手術症例 1985〜2004年の術後5年生存率
p-Stage IA 86.2%
p-Stage IB 60.9%
p-Stage IA+IB 76.4%
p-Stage IIA+IIB 44.3%
p-Stage IIIA+IIIB 26.6%
p-Stage IV 22.7%

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研修内容

■目標
呼吸器外科専門医として、原発性肺癌をはじめとする疾患を有する患者の診断・外科療法を適切に行いうる技術および医師としての倫理を身につけることが目標となります。卒後5年で外科専門医資格、卒後7〜11年までに呼吸器外科専門医資格を取得します。国内・国際学会での発表や英文雑誌への論文投稿を行うことができる臨床および研究の両面にわたる実力を身につけていきます。卒後15年目までに、術者としての豊富な臨床経験を備え、多数の学会発表や論文投稿を行い、後進の呼吸器外科医を教育できる指導医としての資質を養成します。
■研修医の1年目
呼吸器外科入院症例を担当し、呼吸器外科疾患に対する専門的な知識の習得、一般外科の基本的手技(縫合・結紮等)の修得、術後管理の実際的知識を習得します。臨床医としての患者に対する基本的態度を養います。チーム医療を実践し理解を深めます。
■研修医の2年目
呼吸器外科入院症例を担当し、呼吸器外科疾患に対する専門的な知識の習得、一般外科の基本的手技の修得、胸腔鏡手術における基本手技、術後管理の実際的知識を習得します。臨床医としての患者に対する基本的態度を養います。チーム医療を実践し理解を深めます。
■卒業後 3年目以降
東大病院または他院における2年間のスーパーローテート研修の終了後,一般外科の修練を2年〜2年間行います。卒後5年で外科専門医の資格を修得するために必要な症例経験を積みます。その後は東大病院および関連病院において,呼吸器外科専門医に認定されるための修練を行います.認定後はさらに各施設呼吸器外科のチーフとして活躍できるような応用力を持てるようにします.


当科に関するお問い合わせは電子メール(nakajima-tho@h.u-tokyo.ac.jp, 中島)にてお願いいたします.

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その他

■定期的研究会
(1) 臨床カンファランス(月〜金毎朝)
(2) 呼吸器 Cancer Board 会議 (毎週火曜日夕刻)
(3) リサーチミーティング(月1回開催:土曜日午前)
(4) 外科・内科・病理・放射線科4科合同呼吸器カンファランス(月1回開催:第1木曜夕刻)
(5) 論文抄読会(月1回開催:第4金曜夕刻)
■勉強会
(1) 関連病院合同勉強会(毎年7月・12月)
(2) 胸腔鏡手術アニマルラボトレーニング(年2回開催)
 
■教室年報
東京大学医学部胸部外科学教室業績集 1997年〜2005年 (2005年発行)
本教授退任記念東京大学心臓外科学・呼吸器外科学教室業績集 2005年〜2008年 (2009年発行)

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